アシフ・カパディア監督「こんな人の映画を作りたいと思ってきた」 マラドーナのドキュメンタリーを監督

昨年11月に60歳で亡くなった、世界最高のサッカー選手の1人と評されるディエゴ・マラドーナの人生を追ったドキュメンタリー映画「ディエゴ・マラドーナ 二つの顔」が、2月5日から劇場公開される。劇場公開を前に、映画を監督したアシフ・カパディアのインタビュー映像が公開となった。

アシフ・カパディアは、レーシング・ドライバーのアイルトン・セナを追った「アイルトン・セナ ~音速の彼方へ」で英国アカデミー賞受賞、イギリスの歌手エイミー・ワインハウスを追った「AMY エイミー」でアカデミー賞受賞を果たした人物。本作では、マラドーナ本人の完全な協力を得て、500時間の貴重な秘蔵映像を使用し、栄光と挫折を繰り返した天才マラドーナの光と影が明かされる。カンヌ国際映画祭ではオフィシャルセレクションに選ばれ、英国アカデミー賞ではドキュメンタリー部門でノミネートを果たしている。

インタビューでカパディア監督は、「昔からずっとサッカーの大ファンだ。私が子供の頃はマラドーナが最高の選手だと思われてた。1986年のワールドカップは私もマラドーナを世界一の選手だと思って見ていた。マラドーナに関する本も読んだよ。ピッチの中でも外でもとにかく波乱に満ちた人生だ。マラドーナは非凡で面白くてカッとなりやすい性格だ。こんな人の映画を作りたいと常々思ってきた」と、いつかマラドーナの映画を作りたいと思っていたと明かしている。

お気に入りのシーンについては、「ディエゴのセリフで好きなものがある。“サッカーはだまし合いだ”というセリフだ。勝つために何でもするという考えがいい。イングランド戦の“神の手”がそうだ。あの試合では美しいゴールも決めた。でも人々の心により深く残っているのは神の手ゴールのほうだ。ディエゴは私生活でも同じように振る舞った。貧困地区で育ったからそれが彼の生きざまなんだ。常にみんなの期待を裏切って生きてる。トレーニングのシーンも気に入ってる。ボールと遊ぶ時間が一番幸せなんだろう。重圧とストレスがひどかったからね。“ピッチに立つと雑音が消えるんだ”と本人が語ってる。作るのに3年、編集も膨大な時間を要した。ディエゴの人生には数多くのドラマがあってよかったよ。波乱万丈、山あり谷ありだ」と、マラドーナへの敬愛の気持ちを込めて語っている。

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔
2021年2月5日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン他公開
配給:ツイン
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