新潟県の柏崎刈羽原発再稼動に反対する団体が原発の検証委員会へ対する要望書を提出

記者会見を開く「原発からいのちとふるさとを守る県民の会」

新潟県の「原発からいのちとふるさとを守る県民の会」は4日、柏崎刈羽原子力発電所の技術委員会の再任を巡っての問題など、原発再稼動に関わる3つの検証委員会と検証総括委員会に対する要請書を県の原子力安全対策課へ提出し、その後記者会見を開いた。

「原発からいのちとふるさとを守る県民の会」は、2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災したことを受けて市民団体などが結成した、原発再稼動に反対する団体。同団体は2020年9月16日にも「柏崎刈羽原発に対する懸案について」を要請した。

「原発からいのちとふるさとを守る県民の会」の矢部忠夫氏(写真中央)

今回守る会は、3つの検証委員会に関する要請を行った。守る会の矢部忠夫氏は、県は福島第一原発の事故の検証に一区切りついたことから検証に関わった高齢の委員を不再任にしたが、原因の検証は柏崎刈羽原発の安全性を考えるためのものであり、「委員の交代は、これまでの検証内容や審議の経過、現在進行中の議論の継続性をないがしろにするものだと考える」と話した。

現在、来年度以降の技術委員会への再任を求めている立石雅昭委員は2日の会見で、「最低でも、新しい委員を入れた上で、再任を求めている自分と鈴木元衛委員も入れるべき」と話したが、守る会の矢部氏は解任される予定の7人全員の再任を求めるより強硬な姿勢を示した。

加えて守る会は、「検証総括委員会が再稼動ありきの恣意的な運営であるかのような疑念を抱かれることのないよう、福島第一原発の事故や再生エネルギーの現状なども踏まえて県民の意見を聴取すべき。また、県民の求めに応じて説明会の開催や勉強会への参加をするべき」とも求めていた。

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