直谷城跡の研究成果 高校生が英語で発信 ウェブページ作成中

ウェブページをPRする生徒=県立佐世保商業高

 長崎県佐世保市吉井町にある県指定史跡、直谷城跡について研究した成果を内外に発信しようと、同市吉岡町の県立佐世保商業高(中園順喜校長、586人)国際コミュニケーション科の2年生40人が、英語版のウェブページ作成に取り組んでいる。
 県の「ふるさとの未来を担う高校生育成事業」の一環で、昨年6月から直谷城跡について研究。市の「させぼ文化マンス」(昨年11月)の事業としてウェブページ(一部公開中)を作成することになり、年度内の完成に向け作業を急いでいる。
 直谷城は、戦国時代から江戸時代初期まで存在した松浦党の一族、志佐氏の居城。外周のほとんどが断崖絶壁に囲まれた県内でも珍しい山城という。
 ウェブページでは、吉井町の歴史に詳しい和田隆さん(75)の講義を受けて学生たちがまとめた「研究報告」を掲載。「直谷城跡の歴史」「安徳天皇伝説」「直谷城とかかわりのある城」など6章構成で、日本語訳も載せた。文化マンスや同科の紹介もしている。
 直谷城を舞台にした戦の際、城主が幼い姫を逃がすため、城北端にある高さ28メートルの断崖「城ケ鼻」からつり降ろしたところ、失敗し転落死させたとされる伝説「姫落とし」にも言及。近年、崖の側面に逃げ道が発見され、通説と異なる死因も考えられるとの「新説」も紹介している。
 作本七海さん(17)は「海外の方にも楽しんで興味を持ってもらえるウェブページにしていきたい」と笑顔で話している。
 同ページのURLはsasebo.fit/bunka/

和田さん(右から2人目)の解説を聞きながら直谷城跡について理解を深める生徒たち=2020年6月、佐世保市内

© 株式会社長崎新聞社