巨人・岡本和が今年も進化! 〝師匠〟村田修コーチ昇格でなるか初GG賞

守備論を交わす岡本和(左)と村田修コーチ

今年こそ悲願成就なるか――。巨人・岡本和真内野手(24)が守備力をメキメキと上達させている。今季の個人的な目標は自身初となる「ゴールデン・グラブ賞」。そこへ〝強力助っ人〟として登場したのが、今季から一軍に昇格した村田修一野手総合コーチ(40)だ。三塁の名手だった元兄貴分との師弟コンビが復活し「いよいよ」の予感を漂わせている。

一軍本隊の春季キャンプは4日で第1クールが終了し、原監督からは岡本和のさらなる成長が語られた。宮崎キャンプの主将に任命したことで「何となく大人になったなという。環境が人を育てるという意味でも、十分よくやってくれていると思います。リーダー意識がちゃんとある人」とうなずいた。

当の本人は「今までと別に変わりないですね。一緒っすよ」と言うが、昨季2冠王に輝いても積極的に声を張り上げ、泥にまみれる姿は若手中心の宮崎ではひと際目を引く存在となっている。

ただ、進化しているのは内面だけではない。キャンプイン目前に参拝した青島神社の絵馬に決意を記したGG賞獲得に向け、守備力アップへ大きな追い風が吹いているのだ。その助っ人とは、岡本和がかねて「あこがれ」と慕う村田修コーチ。現役時代には同僚としてプレーしたが、2017年オフに自由契約となり、翌18年に引退した。19年からコーチとして巨人に復帰したが、岡本和はすでに一軍に定着し、交わることはほぼなかった。

しかし、今季から村田修コーチが昇格してきたことで4年ぶりの〝再会〟を果たし、今キャンプから初めて「師匠」のノックをこなしながら守備面の本格指導を受けている。同コーチは岡本和と同じ三塁手部門で、GG賞を3度受賞(13年、14年、16年)しており、これ以上ないお手本だ。

第1クール中には、早くも上達ぶりを垣間見せるシーンもあった。3日の内野ノックでは、岡本和が逆シングルで差し出したグラブの下を何度も打球が通り抜けてしまった。すかさず「こうやったら抜けるぞ!」と指摘されたのは、打球に合わせて捕球しようとしてグラブが一緒に流れてしまっていた点。グラブを立てた状態でまず打球を止め、垂直方向に拾い上げるよう助言を受けると、その後のノックでは捕球ミスもみるみる減り「そうそうそうそう!」と何度もお墨つきをもらった。

「バッティングはどれだけすごい人でも(おおよそ)3割が限界。ノーミス、10割を目指せるのが守備。ピッチャーの方も守ってもらえたら、安心して投げられると思いますし。僕自身もリズムが良くなる」(岡本和)

かつては村田修コーチの牙城だったホットコーナーを守り、不動の4番に成長した主砲。頼れる兄貴分から継承した背番号25の〝DNA〟は確実に継承されている。プロ7年目の今季、いよいよ悲願のGG賞を手にできるか。

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