鷹・和田毅のような投手に… ロッテドラ1左腕・鈴木昭汰が掲げるプロでの目標

ロッテ・鈴木昭汰【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

キャンプ第1クールを終え「本当に充実しています」

ロッテのドラフト1位左腕、鈴木昭汰投手は沖縄・石垣島での春季キャンプ第1クールを終え「慣れない環境というのもありますし、ちょっと疲れはありますけど、本当に充実しています」と満足げに4日間を振り返った。

法大からドラフト1位指名を受け入団し、初めて迎えたプロのキャンプ。「何気ない時であっても野球をしっかり意識できるように。自分に妥協しないように“自分に打ち克つ”というのは常に思っています」と自覚を胸に第一歩を踏み出した。

初日から佐々木朗希投手や古谷拓郎投手らと並んでブルペン入りし、プロのスタートを切った。受けてもらう捕手の技術からもレベルの高さを感じ取った。

「ここでしっかりやっていかないと、という思いが強くなりましたし、レベルアップしないといけないなと思いました」

現在の課題は勝負所での制球力。意識したのは大学4年の時だった。「四球の出し方は悪くなかったんですけど、3ボール2ストライクからのウイニングショットがちょっと甘いと思うことがあったので、そこは改善していきたいと思っています」とプロで勝負するため、ここぞの場面で“決めきる力”をつけたいと話す。

3日にはブルペンで田村龍弘捕手ともコミュニケーションをとった。「(田村に)球の強さは評価していただきました。制球力が課題ということは伝えて、一緒にやっていこうとおっしゃっていただきました」。

ドラフト指名を受けてから新人合同自主トレが始まるまでは体力強化に取り組んできた。「学生と違ってプロは1年間戦い抜かないといけないので、そこを乗り越えるだけの体力をつけようと。新人合同自主トレやキャンプだけではその力はつかないと思うので下半身と体力強化はやってきました」と振り返った。

高校時代はプロの注目を集めるも、大学での成長を選択した

高校時代は甲子園に3度出場。プロからも注目を集める存在だった。しかし、「高校日本代表にも選ばれず、自分の実力では厳しいかなと感じました」とプロ志望届提出は見送り。法大に進学し、努力を重ねてきた。その結果、142キロだった直球の最速は4年間で10キロもアップした。

「真っすぐで押せるようになりましたし、いろんな人と出会って考える幅が広がったというか知識も広がりました。日々生活していく中で自分に何が必要かなと考え直す4年間になりました。4年間があってよかった」と納得の表情で振り返る。

目標は同じ左腕で今月21日に40歳の誕生日を迎えるソフトバンク・和田毅投手。和田も早大のエースとして神宮の舞台で活躍した。新入団会見では「人生を象徴する数字」として「21」を挙げた。自らが大学で背負い、和田が着ける背番号だ。「あの年までしっかり投げられていて、勝っていて。とても体も強いですし、目標にしています」と目を輝かせる。

「練習とかで妥協することはないと思うんですけど、スポーツ選手なので食事とかちょっとしたところで、自分に説いてやっていきたいと思います」。和田のように長くプロの舞台で活躍するために、自分に厳しく取り組んでいく覚悟だ。

「これから実戦が始まってくるので、怪我をしないでアピールしていきたい」と語る鈴木の夢は「最多勝」。開幕ローテ入りへ、ドラ1左腕のアピールは続く。

○鈴木昭汰(すずき・しょうた)1998年9月7日、茨城県土浦市出身。22歳。中学時代は土浦霞ケ浦ボーイズで全国準優勝し、U-15日本代表入りした。常総学院高では、1年秋からエースを務める。2年春の選抜ではベスト8、3年春の選抜では初戦敗退。同夏の甲子園ではベスト8。2020年のドラフト会議でロッテから1位指名を受け入団。175センチ、80キロ。左投げ左打ち。(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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