ソフトバンクの「熱男」松田に思わぬ悩み 休日は宿舎の浴場ハシゴしても日が暮れず…

ソフトバンク・松田(手前)の華麗な守備に、後輩リチャードもびっくり

熱男にも悩みはある。ソフトバンク宮崎春季キャンプは5日から第2クールが始まり、ベテラン松田宣浩内野手(37)が精力的な動きを見せた。増田、リチャードとともにキャンプ初の特守を敢行。無観客のグラウンドに大きな声を響かせ、若手の元気のなさに「もっと〝来るやろな〟と思ったらそうでもなかった」と注文をつけた。

元気爆発の背景には、今キャンプ初の休みとなった前日4日の苦悩があった。「熱男は今、お部屋時間に四苦八苦してます。その分、今日はグラウンドで発散してきました」と言う。

新型コロナ禍にあって不要不急の外出はご法度だ。たとえ休日でもおとなしくしていなければならない。松田は「熱男のお部屋時間は苦痛でしかない。野球の日はこんなに早く(一日が)終わるのに。昨日とかホンマに時間が止まっているくらいエグかった。時が止まって、流れが止まっている感じ。今日はもう夕方なのに…」と漏らす。

複数ある宿舎内の浴場をハシゴしても、一向に夜は来なかった。アクティブな熱男にとっては苦痛だったが、その分だけ野球への情熱、集中力がおのずと高まり、休み明けのこの日は練習に熱が入ったようだ。

7年連続で受賞していたゴールデン・グラブ賞が昨年で途切れた。奪還に向けて「守備は数をこなさないと自信がつかない。どんだけやるか。明後日もやるつもりです」と鼻息は荒い。ソフトバンクはすでに今キャンプの全期間無観客実施を決めているが「打撃も守備も見られていない時間で『成長したい』という思いを秘めてやりたい」。お部屋時間を今後どう充実させるか…という難題は残るが、熱男にはピンチをチャンスに変えるたくましさがある。

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