おばあちゃんのSOS 「バス停時刻表が高くて読みにくい」 探してみたら、ここにもあそこにも…

上之園町のバス停。高さ約190センチの位置に時刻表がある。歩道の傾斜もあり、かなり見にくい=鹿児島市上之園町

 「バス停にある時刻表の位置が高くて読みにくい」-。鹿児島市に住む80歳代の女性から不満の声が届いた。実際どのくらいの高さに時刻表が張られているのか。同市街地にある約70カ所のバス停を調べると、およそ1割のバス停で180センチを超える高さにあった。時刻表の文字も小さく、これは確かに見えにくい。

 バス停にはいくつかの種類がある。(1)路線数の多い天文館などにある幅広で大型のタイプ(2)中に電照が入っている四角柱のようなタイプ(行灯型)(3)金属製の棒の先端にバス停名を書いた丸い板があるタイプ(円板型)-など。

 調べた範囲で時刻表の位置が高くなっていたのは(2)だ。バス停の高さに決まりはなく、かなりばらつきがある。複数の便の時刻表が縦並びに張ってある場合、上の時刻表が地面から約180センチ以上の位置にある例が散見された。

 市営バスの「上之園町」「新屋敷」は、190センチを超える高さにあった。身長170センチの記者も読みにくい。背の低い人や子ども、視力の落ちた高齢者や車いすの利用者が読むのは難しいだろう。

 市交通局バス事業課によると、(2)のバス停の下部は広告スペースになっており、広告が入っていなくても、時刻表は張らないことになっている。ただ、運行会社や場所によっては利用者への配慮からか、下部スペースに時刻表を移してある例もあった。

 投稿者の女性は「高齢者が近くにいた男子高校生に頼んで読んでもらっていた。高齢者に免許返納させ、公共交通機関の利用を促すなら、使い勝手を工夫してほしい」と話す。

 (1)はたくさんある時刻表を横に並べられるようになっており、バス停自体の高さも低いので見やすい。(3)はほとんどで記者の目線より下に時刻表があった。

 時刻表は、ダイヤ改正などで定期的に職員が張り替えるので、状況に応じて見えやすい場所に変えることもできそうだ。

 市交通局バス事業課は「高い位置に時刻表が張られたバス停もある。利用の多い高齢者の利便性に配慮し、改善できる部分は改善できるよう工夫していきたい」と説明している。

確認した中で最も低かった甲南高校前のバス停。これも人によっては、見づらい高さ。市交通局も「なぜ低いのか分からない」という=鹿児島市荒田1丁目

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