春の衆参補選&再選挙の構図は? 衆院北海道2区&参院長野選挙区&参院広島選挙区

今年4月には、国会議員の欠員が生じた衆議院北海道2区と参議院長野選挙区で補欠選挙と裁判で当選が無効となった参議院広島選挙区の再選挙がそれぞれ行われる予定です。

現時点で補欠選挙が行われるのは、
吉川貴盛氏の議員辞職にともなう衆議院北海道2区、羽田雄一郎氏の死去にともなう参議院長野選挙区(2025年改選)の2選挙区、

再選挙となるのは河井案里氏の当選無効にともなう参議院広島選挙区(2025年改選)の1選挙区です。

今回は国政選挙における補欠選挙・再選挙とはどんなものなのか、また4月に選挙が行われる3選挙区の現在の構図を紹介します。

国会議員の補欠選挙ってどんなときにあるの?

国政選挙における補欠選挙実施の要件は公職選挙法に規定されており、衆議院小選挙区選出議員の場合は欠員が生じたとき、参議院選挙区選出議員の場合は改選議席数の4分の1を超える欠員が生じたときに行われます(公職選挙法第113条)。

前年の9月16日から3月15日までの間に上記のような欠員が生じた場合には4月の第4日曜日に補欠選挙を行うことが規定されているので、今回の3選挙区での補欠選挙は4月25日(日)投開票(4月13日告示)という日程で行われます(公職選挙法第33条の2の2項)。

国会議員の再選挙って何?

一方、国会議員の再選挙は補欠選挙とは異なる規定に基づいて行われます(公職選挙法第109条)。今回の参議院広島選挙区では、河井案里氏が公職選挙法違反の罪で有罪判決を受け、5日に有罪が確定したことで河井氏の当選が無効となったため行われることになりました。

維新、候補者擁立へ/立憲・共産は一本化なるか/与党は擁立せず「不戦敗」 吉川貴盛氏の辞職にともなう衆議院北海道2区補選

北海道2区選出の衆院議員だった吉川貴盛氏が、体調不良を理由に同月21日に議員辞職をしたことによって補欠選挙が行われます。吉川氏は辞職後、鶏卵会社から現金を受け取っていたことなどに関して収賄罪で在宅起訴され、このことを受けて自民・公明両党は北海道2区の補欠選挙に与党候補者を擁立しない方針を決めています。

一方、野党では立憲民主党が元衆院議員で党北海道2区支部長の松木謙公氏を、日本共産党が前札幌市議会議員の平岡大介氏を擁立する方針ですが、野党系候補者の一本化を模索していく考えを立憲民主党北海道連代表の逢坂誠二氏が示しています。また、日本維新の会も党北海道総支部長で新党大地代表の鈴木宗男氏が自身の立候補を含めた候補者の擁立を目指しています。この他に、NHK受信料を支払わない方法を教える党(旧・NHKから自国民を守る党)も候補者擁立を検討しているとしています。

与党は元衆院議員を擁立、野党は「弔い選挙」に 羽田雄一郎氏の死去にともなう参議院長野選挙区

2019年7月に5選を決めた羽田雄一郎氏が、2020年12月に新型コロナウイルス感染症により死去したことによって補欠選挙が行われます。自民党は2019年7月の参院選でも長野選挙区で立候補していた元衆院議員の小松裕氏を擁立することを1月24日に決定。一方「弔い選挙」となる野党は、羽田雄一郎氏の後援会である「千曲会」が雄一郎氏の弟の羽田次郎氏を擁立することを30日に決め、立憲民主党が公認する見通しとなっており、参議院長野選挙区補欠選挙は与野党一騎打ちの構図になるとみられます。

立憲が候補者擁立に意欲、対する自民・公明は 河井案里氏の辞職にともなう参議院広島選挙区再選挙

2019年7月の参院選広島選挙区に関して公職選挙法違反(買収)の罪に問われていた河井案里氏の有罪が裁判で確定したことで河井氏の当選が無効となったことで行われる再選挙です(なお、河井氏は有罪確定前に辞職していますが、総務省選挙部は補選事由(議員辞職による欠員)と再選挙事由(当選無効)が同時に生じた場合再選挙が優先される、としています)。

今回の参議院広島選挙区再選挙には、立憲民主党が候補者擁立する方針を明らかにしており、党広島県連が候補者の人選に着手する、としています。また、自民党広島県連も候補者擁立のために近く役員会を開くなど準備を進めているとされています。

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