おうちでジビエ 捕獲のシカでレトルトカレー、パッケージデザインは東海大学生

鹿肉カレーを手にするパッケージを考案した鈴木梨沙さん=伊勢原市役所

 獣害対策として捕獲されたシカの肉を使ったレトルトカレーが神奈川県伊勢原市で販売されている。新型コロナの影響で「おうち時間」が増える中、地元企業がジビエ料理を手軽に味わってもらおうと開発。デザインを学ぶ東海大の学生が考案し、シカの顔をイメージしたパッケージも目を引く。

 製造するのは同市役所内でレストラン「しいの木」を運営するセゾオン(同市粟窪)。同店では猟友会が捕獲したシカを活用するため、昨年4月から「鹿肉メンチカツカレー」などをメニューに加えた。しかし、コロナ禍の外食控えで売り上げが低迷、新たな売り上げにつなげようとレトルトカレーに注目した。タマネギを多めに使い、コクが出るよう工夫したという。

 低カロリー、高タンパクというシカ肉は同市子易の食肉施設「猪・鹿肉問屋阿夫利山荘」で処理加工されたものを使う。セゾオン営業統括部の彦部竜至次長は「シカ肉はボイルし、臭みもない。脂肪燃焼や疲労回復に効果的」とPRする。

 パッケージは平塚市の東海大3年生の鈴木梨沙さんがデザイン。濃い赤色のボルドー色の背景に、シカの顔をデフォルメした「鹿肉」の文字や角、地元の名峰大山が描かれ、「どうやったら面白くなるかを考え、カレーよりもシカを前面に出した」と話す。

 価格は税込み842円。売り上げの1%は伊勢原市の文化財保護の財源に充てられる。市役所売店などで販売、今後は「伊勢原うまいものセレクト」や同市のふるさと納税の返礼品などにも登録される見込みだ。

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