年俸総額大幅削減のインディアンス ラミレスの放出には興味なし

今オフのインディアンスは、フランシスコ・リンドーアとカルロス・カラスコをメッツへ放出するなど、年俸総額の大幅な削減を進めている。チーム最高年俸となったホゼ・ラミレス(今季年俸940万ドル)が次に放出されるのではないかと注目されており、実際にトレード交渉を持ち掛けているチームもあるようだ。しかし、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールはインディアンスがラミレスの放出に興味を持っていないことを伝えている。

現在28歳のラミレスは、昨季58試合に出場して打率.292、17本塁打、46打点、10盗塁、OPS.993の好成績をマーク。サイ・ヤング賞を受賞したシェーン・ビーバーとともに、インディアンスが2年ぶりのポストシーズン進出を果たす原動力となり、アメリカン・リーグのMVP投票で2位にランクインした。2017年と2018年には同投票で2年連続3位となっており、直近4シーズンで3度もトップ3に名を連ねたことになる。

ラミレスは今季が5年2600万ドルの契約最終年だが、球団オプションが2年分残っており、インディアンスはラミレスを2022年は年俸1100万ドル、2023年は年俸1300万ドルで雇うことができる。市場価値を考えれば格安であり、ローゼンタールはラミレスの現行の契約を「球界における最大のバーゲンの1つ」と表現している。もちろん、そのラミレスを放出すれば、確実に莫大な対価を得られるが、インディアンスとしては慌てて放出する必要は全くない。

チームの財政事情を考慮して年俸総額を大幅に削減したものの、エディ・ロサリオやセザー・ヘルナンデスと契約したことからもわかるように、インディアンスは今季のポストシーズン進出を諦めているわけではない。最低限の得点力を確保するうえで、ラミレスは不可欠な存在であり、インディアンスが現時点で放出を検討していないのは当然と言える。ただし、ポストシーズン進出が難しくなった場合、夏場にトレードが検討される可能性はありそうだ。

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