【高校発みやざきSDGs】ー5ー宮崎西(下) 興味分野を深く研究

干潟でのフィールドワークに熱心に取り組む生徒たち

 「世界に誇れる宮崎の豊かな自然を後世に残していくためには何が必要か」。宮崎西高付属中学校では、「探究」プログラムを3年間かけて行いながら、このテーマについて生徒一人一人が模索している。

 「探究」では、大学や研究機関と連携しながら、1年次に青島の亜熱帯性植物観察で植物の面白さを学習。2年次には綾の照葉樹林植生調査で本県の自然の豊かさを感じながら専門性の高い調査技法を習得し、3年次は種子島・屋久島研修で生物多様性の素晴らしさを実感する。自然探究の面白さを知り、さらに情緒の豊かさや人とのつながりを知ることで、興味ある分野を深く研究するという感性豊かな探究心を育てている。

 近年は動物の生態調査・観察をプログラムに取り入れ、研究フィールドを徐々に広げており、3年前から干潟の底生動物観察会を始めている。動物の生態調査の手法を学びながら、動物の独特な動きや形態に魅了され、動物が苦手だった生徒たちのほとんどが、高い興味・関心を示すようになっている。この探究活動で得たノウハウを生かし、高校での研究論文作成プログラム「きみろん」(きみにしか書けない論文コンテスト)へ発展させている。

 本県内の海洋および沿岸域には、まだまだたくさんの豊かな自然が残されている。今後も探究活動のフィールドをさらに広げ、生物多様性の豊かさを感じさせながら保護意識の醸成につなげていきたい。(教諭・山田真太郎)=日曜日掲載=

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