狂言に字幕 伝統芸能を動画配信 川崎市文化財団

現代語訳の字幕が入った狂言「船渡聟」の動画(川崎市文化財団提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が求められている中、伝統芸能を気軽に鑑賞してもらおうと、川崎市文化財団は能狂言の動画配信を始めた。英語圏の人たちや初心者でも楽しめるよう、各作品のせりふに英語か現代語訳の字幕を付けている。

 現在は公演5本、解説動画3本の計8本を配信。いずれも、財団の主催事業で、動画は専門業者や財団職員が撮影した。

 昨年12月12日に川崎能楽堂(川崎区)で撮影した能「橋弁慶(はしべんけい)」は英語と現代語の字幕付きの2種を掲載した。同10月17日に同所で開いた公演からも、狂言「船渡聟(ふなわたしむこ)」(現代語、英語)と「栗焼(くりやき)」(現代語)を選択、人間国宝の狂言師山本東次郎さんが粗筋やせりふの意味を解説する動画(字幕なし)も配信している。

 「船渡聟」「栗焼」は6月22日まで、「橋弁慶」は7月下旬までの配信を予定している。財産の担当者は「コロナ禍で公演に足を運べない人も、動画を通して能狂言の魅力に触れてほしい」と、視聴を呼び掛けている。

 同財団ホームページの「動画配信」から視聴できる。問い合わせは、同財団電話044(272)7366。

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