炭酸濃度はバブの12倍!?「ラムネ温泉館」のシュワシュワ感がたまらない【大分県】

もはや入浴剤の代名詞ともいえる花王の「バブ」。寒い日や疲れた時に入るシュワシュワのお風呂は極上そのもの。ところがなんと、大分にはそのバブの12倍もの高濃度な炭酸泉があるんです!今回は、まさにラムネに浸かっている気分になれる「ラムネ温泉館」をご紹介。

ストライプ柄がメルヘン!ジブリ映画に迷い込んだような佇まい

大分県のほぼ真ん中に位置する長湯温泉。世界屈指の炭酸泉湧出地として名高く、古くから湯治場として栄えた歴史を有します。遡れば、かの「万葉集」に長湯を詠んだ歌があるほど。

立ち寄り湯も多い長湯温泉の中で特に人気を博すのが「ラムネ温泉館」。看板がなければ一見温泉とは思えないような、メルヘンチックな建物が目印です。キャラクターデザインを手がけたのはイラストレーターの南伸坊さん。ユーモラスなタッチで知られる南さんですが、なんともいえぬユルさがたまりません。

もともとは小さな湯小屋として営業していたラムネ温泉。現在の立派な温泉館としてオープンしたのは2005年。文豪・大仏次郎氏が旅行記「絵の国豊前豊後」(昭和9年)で、“これぞ、ラムネの湯だぜ”と紹介したことが名前の由来となっているのだそう。

焼き杉と漆喰によるストライプ柄の外壁はチャーミング。三角屋根のてっぺんから生えているのは松の木。古来より松は長寿の象徴として尊ばれてきたことから、長く栄えるようにという想いが込められています。ユニークな佇まいはまるでジブリ映画の世界に迷い込んだよう。

設計を担ったのは建築家・藤森照信氏。建築と自然を融合させた、独創的な作品を手がける藤森氏の世界観が見事に体現されています。

これぞバブの12倍を誇る炭酸パワー!

ラムネ温泉館で使用する源泉は2種類。どちらも温度調節をしない100%源泉かけ流しです。ひとつがこちらの32℃の炭酸泉。炭酸泉は温度の上昇によって炭酸量が下がるという性質ですが、低温のため約1,380ppmという驚異的な炭酸含有量を保てるのだそう。これはバブを入れたお風呂の約12倍。長湯温泉の中でもトップクラスとのこと。

お湯全体に銀色の泡がブクブク湧き出ていて、まさにラムネの様相。浸かった途端に身体中がシュワシュワの泡に包まれ、なんとも不思議な気分です。聞けば、炭酸ガスが全身の血管を拡張させ、血流をスムーズに促すのだとか。確かに32℃とは思えないほど全身がポカポカするのを実感。恐るべし高濃度炭酸泉!

高温の温泉はオリーブグリーンのにごり湯

もうひとつの源泉を使用しているのが「にごり湯」。湯温は高めの42℃とあって炭酸泉のような泡感はないものの、911ppmという炭酸濃度を誇ります。カルシウムやマグネシウム、鉄分などのミネラルを多量に含んでおり、皮膚炎や関節痛に効果的なのだとか。にごり湯と炭酸泉を交互に浸かることで温浴効果がより高まるのだそうです。

貸し切り可能な家族風呂も用意。炭酸泉とにごり湯の両方を備えているのもうれしいところ。

高確率でニャンコたちに会えます

オリジナルキャラクターがデザインされたタオルや雑貨なども販売。お土産にもぴったりですね。ちなみにラムネ温泉には看板ニャンコ様がいらっしゃいます。

つぶらな瞳が愛おしい黒猫さん。かわいいので写真を撮り続けていたら、ご機嫌を損ねたらしく逆毛を立てられてしまいました。一方で飼い主の館長さんがやってきたら即甘え出したり。ツンデレ美人さんなのでした。

こちらは道案内もしてくれるキジトラ猫さん。黒猫さんより人懐っこいアイドルタイプです。

温泉の後はアートで感性を磨きましょう

ラムネ温泉の魅力は炭酸泉や看板ネコだけではありません。なんと美術館も併設されているのです。温泉利用者は無料で入場可能。高田力蔵の絵画や川端康成の書など、長湯温泉にゆかりのあるさまざまな文化人の作品が常設展示されています。定期的に企画展も開催。

寛ぎスペースも用意されています。温泉棟とはひと味異なるレトロモダン。そこはかとなく重厚感ある雰囲気も素敵です。

一度入れば、その泡感がやみつきになること間違いなしの高濃度炭酸泉。独特の世界観が広がる温泉で心と身体を癒やしてみてはいかがでしょうか。

ラムネ温泉館

住所:大分県竹田市直入町大字長湯7676-2

電話番号:0974-75-2620

営業時間:10:00〜22:00

定休日:毎月第1水曜日(1月と5月は第2水曜日)

利用料金:大人500円 子供200円(家族風呂は1時間2,000円)

URL:http://www.lamune-onsen.co.jp

[All photos by Nao]

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