J1定着、決め手なるか ベテラン2FW、横浜FC加入

J1通算100得点を誇る渡辺=宮崎県内(ⓒYOKOHAMA FC)

 J1定着を目指す横浜FCに勝ち方を熟知するベテランFWがやってきた。G大阪から加入した元日本代表の渡辺千真(34)と鹿島から完全移籍の伊藤翔(32)だ。「1試合でも多くの勝利をもたらしたい」。昇格2年目のチームに自らの経験値を還元しようとキャンプ地で精力的に汗を流している。

◆得点の意欲変わらず 渡辺千真

 10季ぶりに戻ってきた横浜の地に愛着を隠さない。「まだ街にはあまり行けていないが、懐かしい感じがする」と渡辺。マリノス時代の2009年にルーキー最多13得点を挙げて新人王に輝いたストライカーも、ことし8月で35歳になる。

 昨季のエース格だった東京五輪世代の一美と入れ替わるように、前年2位のG大阪から完全移籍で加入。「クラブから評価をしてもらい、(GMの)服部さんや(監督の)下平さんと話をしていくうちに、このクラブでプレーしたいと思うようになった」と、熟慮の末の決断を明かす。

 「点取り屋」の名にふさわしいキャリアを重ねてきた。昨季は史上15人目のJ1通算100得点を達成。「けがもなくシーズンを通してプレーできたし、悪くなかった」。出場33試合の3分の2がベンチスタートながら、計6得点を挙げたゲームは全て負けなし。ゴール前の高い集中力と勝負強さは健在だ。

 宮崎県内で行われていた2次キャンプは7日で終了。「自分が今までにやったことのないトレーニングもあり、戦術の細かいところも含めて新鮮」と充実感を漂わせる。ボールを握りながら相手を崩す戦術も性に合うようで、「ゴールへの意欲は変わらない。チームを勝たせる選手でいたい」。再び三ツ沢を沸かせる準備はできている。

© 株式会社神奈川新聞社