【新型コロナ】東京交響楽団公演に市民1200人 予想超えるコロナ寄付で川崎市が招待

視聴者のコメントで埋まるネット配信されたマッチングギフトコンサート

 川崎市は、コロナ禍で苦境に直面した市のフランチャイズオーケストラ「東京交響楽団」を支援するため、6~12月に開催予定の川崎定期演奏会に市民1200人を招待する。市は昨年、公演中止など活動制限が続いた楽団を応援しようと、寄付を募るオンラインコンサートを開催。寄付額と同額の支援を決めたところ、予想を大幅に超える善意が集まり、上限とした1千万円分の招待が実現した。

 楽団によると、新型コロナウイルスの感染拡大で昨年2月末から演奏会の中止が相次ぎ、特に3月以降の3カ月間は一切演奏ができなかった。約30公演が中止になり、収入が大きく減る「厳しい状況」(広報担当者)に陥ったという。

 こうした状況を受け、市は6~7月に3回、無観客コンサートをオンライン配信して寄付を募る「マッチングギフトコンサート」を開催。市内外から計約1700万円が寄せられた。

 現在は緊急事態宣言の再発令で観客数や公演時間の制限があるが、楽団は「皆さんの支援で通常運営に向けて準備ができている。一歩一歩進めたい」と感謝。市市民文化振興室の担当者は、「音楽を通じたつながりの支援が、目に見える形で集まり、ありがたい」と笑顔で語った。

 招待は6月27日、7月18日、9月26日、11月14日、12月5日の定期演奏会。市内在住・在学・在勤の約600組1200人が対象。募集は1月25日~2月26日午後6時必着で、定員を上回った場合は抽選。はがきや楽団のウェブサイトで応募できる。問い合わせは、TOKYO SYMPHONYチケットセンター電話044(520)1511。

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