2月20日はアレルギーの日 主なアレルギーの症状や留意点を紹介

 現在日本では2人に1人が何らかの物質に対してアレルギーを持つとされており、年々患者数は増加傾向にある。厚生労働省と日本アレルギー学会は、正しい知識の周知を目的に「アレルギーポータルサイト」(https://allergyportal.jp/)を2018年10月に公開した。2月20日は「アレルギーの日」。花粉の飛散も本格化するシーズンを控え、代表的なアレルギー疾患とその留意点などを紹介する。何らかの症状が出たら、自己診断せず医療機関や薬局などに相談しよう。

 

花粉症

 鼻水・くしゃみ・鼻づまりが3主徴。花粉飛散量に比例して症状が悪化する傾向がある。日本気象協会の2021年春の花粉飛散傾向予測によると、中国地方は例年比では花粉の飛ぶ量は少ないが、前シーズン比(2020年春との比較)では多くなるという。昨年症状が軽かった人も注意が必要だ。

 

アレルギー性結膜炎

 結膜が外気に直接触れており様々な異物が入りやすいため、目はアレルギー反応が生じやすい場所とされる。代表的な原因物質としては、花粉、ハウスダストなど。かゆみや充血、目やになどの症状が引き起こされる。治療法や予防法は原因物質によって異なるため、まずは原因を特定して適した治療が必要。視力に影響する場合もあるので、症状があらわれたら早期受診を。

 

ぜんそく

 アレルギーの炎症などの原因で気道が狭くなり呼吸が困難になる。ダニやカビなど環境のアレルゲンに反応するアトピー型ぜんそくと、アレルゲンに反応しない非アトピー型ぜんそくがある。治療とともに、環境整備などで危険因子を回避することが大切だ。

 

アトピー性皮膚炎

 皮膚にかゆみのある湿しんや炎症、肌の乾燥などが慢性的にあらわれる状態。顔や首、ひじやひざ裏などに発生しやすい。一度治まっても再発するケースもある。ハウスダストやダニ、花粉といった環境的要因と、遺伝による体質的な要因とがある。

 

食物アレルギー

 主に食べ物に含まれるたんぱく質が原因で起きるアレルギー。症状の出かたや重症度には個人差があり、原因となる食物アレルゲンの種類・量・品目数・耐性獲得の時期なども人により異なる。なお、食中毒や食物不耐症など食物アレルギーと間違えやすい症状もあるため、専門の医師による正確な診断が必要となる。

 

アナフィラキシー

 アナフィラキシーは、アレルギー反応により複数の臓器に症状が強くあらわれる状態。特に、血圧低下や意識障害を伴う場合を「アナフィラキシーショック」と呼び、一刻も早く医療機関で適切に対応を進めないと生命にかかわることも。小児の多くは食物アレルギーが原因だが、ハチやアリなど昆虫の毒と薬剤も誘因となる。

 

 

アレルギーの日・アレルギー週間とは

 免疫学者石坂公成・照子夫妻がアレルギーを起こす原因物質「 IgE(免疫グロブリンE)」を発見し、その成果を米国アレルギー学会で発表した1966年2月20日にちなみ、日本アレルギー協会が1995年にこの日を「アレルギーの日」と制定した。また、毎年2月17日から23日の1週間を「アレルギー週間」として、全国各地で啓発普及活動が実施されている。

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