世界へ打って出る野左根航汰「全日本ロードで結果を残せば“世界に行ける”見本になりたい」/SBK

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 2020年、8レース中7勝を挙げる圧倒的な速さで全日本ロードレース選手権JSB1000クラスチャンピオンに輝いた野左根航汰。2021年シーズンは、GRT Yamaha WorldSBK Teamからスーパーバイク世界選手権(SBK)に打って出る。3月よりテストが始まる予定となっており、出発を控えた2月某日、Team NORICKの合同トレーニングに参加し、後輩ライダーと共にオフロードバイクを乗り込んだ。世界へのチャレンジを前に、その心境を聞いた。

「長い間、全日本でやってきたので(世界に出て行くのは)新鮮味がありますね。楽しみでもある反面、正直なところ不安もあります。昨年11月にヘレスサーキットで初めてテストを行いました。ジョナサン・レイ選手を始め、トップライダーがいる中、2日間ともいいコンディションで走ることができました」

「タイム差はありましたが“ここで戦える”という手応えもありました。マシン、タイヤ、コースと初めて尽くしで難しい部分もありましたが、しっかり周回をこなせましたし、チームともコミュニケーションが取れました」

2021年はSBKに参戦する野左根航汰

 野左根が所属するGRT Yamaha WorldSBK Teamは、イタリアのミラノにベースを置いている。野左根もシーズン中は、チームの近くに住む予定だという。

「チームの雰囲気は、すごくいいですね。自分にはもったいないくらいです。自分を選んでくれたことをチームとヤマハに感謝したいですね。だからこそ、しっかり期待に応えられる走りをしたいと思っています」

Team NORICKの合同トレーニングに参加した野左根航汰

 ワンメイクとなっているピレリタイヤは、どんな印象だったのだろうか? 以前、FIM世界耐久選手権(EWC)でYARTから出場したときに履き苦労していた印象があったのだが。

「ブリヂストンに比べて、ひと言でいうと“すごくやわらかい”という印象でしたね。グリップはあるのですが、剛性が低く動きを出している感じでブリヂストンとは、使い方が全く違うことが確認できました」

「レースになれば苦労する部分は多いと思いますが“1年目だから”という考えはないですし、ひとつでも上位でゴールできるように全力を尽くすだけです。チームメイトの(ギャレット)ガーロフ選手が、昨年ルーキーイヤーながら3位表彰台を獲得していますし、チーム力もあることを証明しているので、自分も、できないことではないと思っています」

「もちろんラバット選手やレディング選手、バウティスタ選手など、最近までMotoGPを走っていたライダーも多いですし、速い選手ばかりです。レースを見ているとガツガツしたハングリー精神もすごいですが、積極的に加わって行きたいですね」

2021年はSBKに参戦する野左根航汰

 今年もSBKは、日曜日のスーパーポール・レースを含め、1ラウンドで3レースが行われることになっており、13戦39レースが予定されている。

「3レースあることは、自分にとっては収穫できることも多いとポジティブに考えています。ヘレスも実際に走ると高低差が思っていた以上にあったと感じましたし、初めて走るコースばかりなので、まずはコースをいち早く攻略して勝負して行きたいですね」

 3月に入ると、まずはカタールのMotoGPテストに参加し、その後、ミサノ、アラゴンとプライベートテストがあり、3月31日、4月1日にカタルーニャで行われるオフィシャルテストというのが、当面のスケジュールとなっている。

「今まで後輩とトレーニングをすることが、あまりなかったのですが、勢いのある走りを見ていると、すごくいい刺激になりました。逆に自分が世界で頑張る姿を見せることができれば、全日本ロードで結果を残せば、世界を走ることができるという道筋ができると思います。ぜひ、その見本になりたいですね」

 Team NORICKの阿部光雄監督も「トラクションをかけるのが、すごくうまい」と卒業生の野左根を評価。世界に打って出る野左根のSBKデビューは、4月23日(金)~25日(日)オランダ・アッセンの開幕戦となる。

Team NORICKの合同トレーニング
Team NORICKの合同トレーニングに参加した野左根航汰