冊子「ふりそでの少女」完成 平和継承へ多言語5000部 長崎・活水高

冊子や折り紙を手に、ふりそでの少女についてPRする活水高平和学習部の生徒=長崎市役所

 原爆後に振り袖姿で火葬され、被爆者の故・松添博さんの絵本「ふりそでの少女」で描かれた少女の物語を継承しようと、長崎市の活水高平和学習部が冊子「ふりそでの少女 二つの物語」を作製した。折り紙で振り袖を折る動画も年度内に配信する予定。
 長崎平和推進協会のアジア青年平和交流事業の一環。日本語のほか英中韓と台湾の4言語に翻訳した。5千部発行し、長崎原爆資料館などで配布する。
 冊子では、松添さんの絵のモデルとなった福留美奈子さんと大島史子さんについて絵や写真で紹介。京都で暮らしていた福留さんの母親が松添さんの絵を通して娘と“対面”したことや、京都の中学生を中心とした募金活動で1996年、同資料館屋上庭園に少女像が建立されたことも掲載した。
 関係者は9日、長崎市役所で会見。2年の藤村結さん(17)は「物語を知った時、未来ある少女たちの命が奪われてかわいそうだと感じた。事実を知ってもらい、平和とは何かを一人一人が考えるきっかけにしてほしい」と語った。

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