群馬県知事の山本一太氏が〝派閥の親分〟森喜朗会長に辞任勧告「最悪の事態になる前にきちっと決着をつけたほうがいい」

森会長に辞任を迫った山本一太氏

群馬県知事の山本一太氏(63)が10日、自身のブログを更新。女性蔑視発言を放った東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)に辞任勧告した。

山本氏にとって森会長は国会議員時代の〝派閥の親分〟。「派閥会長として厳然たる影響力を持っていた森喜朗元総理に、最も逆らっていた国会議員は山本一太だった」と振り返る。また「改革派の若手・中堅議員にとって、森会長の言動は『古色蒼然とした自民党の体質』そのものみたいに映っていたからだ」と当時の様子を明かす。

親分に何度も叱られ、意地悪された山本氏だが、それに対する恨みはなく人間的でチャーミングな部分がある森氏に「ご迷惑をかけて、申し訳なかった」という感情もあるという。

森会長の本質を知る山本氏は「会長を引き受けられたのも、日本のために純粋に尽くしたいという純粋なお気持ちがあってのことに違いない」と推察し「政界の大先輩に対して、あまり失礼なことは言いたくない」としながらも早期の辞任を求めた。

山本氏は海外の友人との意見交換で〝森失言〟の重大さを感じたという。女性蔑視に対する厳しい批判は「国際社会の共通の見方」と実感。「これまでの功績が云々とか、そういう次元の問題ではない」「謝罪したから一件落着みたいな話でもない。謝罪会見の態度が良いとか悪いとかいうのも、問題の本質ではない」とつづった。

また〝森失言〟の今後の悪影響にも言及。この問題が長引き欧米の主要メディアが取り上げた場合に「ボイコットが世界中に広がる危険性がある」とした。また、〝メダルが期待される国外の有力選手たちがボイコット→有力選手が続く〟というのが「自分が恐れているシナリオ」に挙げた。

山本氏は「最悪の事態」になる前に「きちっと決着をつけたほうがいい。そう思っているのは、自分だけではないはずだ」と強く主張している。

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