リバプールで内紛 クロップ監督とオーナーが対立

リバプール・クロップ監督(ロイター)

イングランド・プレミアリーグの強豪リバプールで、ユルゲン・クロップ監督(53)とオーナーのフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)との間で対立が表面化している。

英紙「サン」は「クロップはクラブの移籍方針にますます不満を募らせている。一方で、オーナーのFSGは悲惨な財政状況を考慮している」と報じ、補強方針を巡って衝突している。

特に今冬の移籍市場でクロップ監督はイタリア1部ナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリ(29)の補強を熱望したが、FSG側はナポリが1億ユーロ(約125億円)という高額な移籍金を要求したことや、クリバリにケガの懸念があったため補強を見送り、この一件が両者の間の溝を深刻化させた。

新型コロナ禍でクラブの財政事情が厳しいためFSG側は緊縮財政の方針を取っており、昨夏の移籍市場でも補強に消極的だったが、指揮官の強い要望に折れる形でFWディオゴ・ジョタ(24)とMFチアゴ・アルカンタラ(29)の補強をしぶしぶ許可。ジョタは活躍したものの、チアゴの働きにはFSG側が不満を持っているようで、補強を失敗とみなしてクロップ監督への不信感が募っているようだ。

同紙は「クロップは以前の雇用主とは常に良好な関係を築いてきた」と指摘しており、珍しくオーナーと対立している現状が今後危惧されるという。リーグ連覇が難しい状況になる中でさらに対立が深まるようなら、今後は去就問題にも発展する可能性がありそうだ。

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