森喜朗会長(83)の着地点はどうなるのか。
〝女性蔑視発言〟に対する国内外からの厳しい批判がやまない。国民、スポンサーはもとより、一度は「この問題は終了した」と幕引きを図った国際オリンピック委員会(IOC)までも「発言は極めて不適切で、IOCが取り組む改革や決意と矛盾する」との声明を発表したほどだ。
そこで東京五輪・パラリンピック組織委員会は10日、評議員会・理事会合同懇談会を12日に行うことを正式決定した。だが、森会長の辞任にまで迫れるかはわからない。
「橋本聖子五輪相、萩生田光一文科相、山下泰裕JOC(日本オリンピック委員会)会長など、重鎮たちは森さんの発言を批判はしても、辞任は否定するか、はぐらかすことで一貫している。今回の懇談会も、話し合う体裁をとることで『組織委の信任を得た』と、逆に続投の根拠を与えかねない」と懸念するのは五輪関係者。
そもそも政界、財界、スポーツ界ににらみを利かせる森会長に、辞任を迫れる者はいないというのが一致した見方だ。永田町関係者によると「菅義偉首相はもちろん、安倍晋三前首相、二階俊博幹事長ですら森さんに頭が上がらない」という。ましてや組織委のメンバーが迫れるわけがない。
引導を渡せるとしたら、誰なのか?
「〝ウルトラC〟として1人だけ辞任を迫れる人物がいる」
そう語るのは政界関係者。その人物はなんとロシアのプーチン大統領という。
「小渕恵三首相が倒れて、森さんが2000年4月に急きょ首相になったとき、最初の外国訪問地として選んだのがロシアでした。これに大喜びだったのが、同年5月にロシア大統領に就任したばかりのプーチン。以来、2人は何度も杯を酌み交わす仲になった。KGB出身のあの冷徹人間が、森さんの誕生日をプライベートで祝ったこともあるとか。だとしたら『ヨシ、お前は十分がんばったよ』と一本連絡すれば、辞める可能性はある」
もっとも、組織的なドーピング問題でロシアは〝五輪出禁〟となっているだけに、「東京五輪に出せ」と取引材料にされるかもしれないが…。
注目される今回の問題の結末。続投の場合、ウラジミールに頼むしかないかもしれない。