海自護衛艦「むらさめ」 横須賀に帰港 中東派遣、情報収集活動終え

中東での情報収集活動を終えて帰港した海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」=11日午前9時10分ごろ、横須賀市

 中東を航行する日本関係船舶の安全確保のため情報収集活動に当たっていた海上自衛隊の護衛艦「むらさめ」が11日、海自横須賀基地(横須賀市)に帰港した。防衛省設置法の「調査・研究」に基づく水上部隊の第3次隊として、オマーン湾とアラビア海北部で船舶約1万2千隻を確認した。

 むらさめは、昨年8月30日に同基地を出港後、乗員1人の新型コロナウイルス感染が判明。一度引き返して9月16日に再出航し、10月上旬から今年1月下旬まで同海域で任務に当たった。約5カ月の派遣期間中には、日米印豪共同訓練「マラバール2020」にも参加した。

 帰港後の式典で岸信夫防衛相は「現地の安全に関する貴重な情報をわが国にもたらすことに結び付いた」と述べ、乗員約200人をたたえた。式典後の会見では、「中東地域は日本関係船舶の防護を直ちに必要とする状況にはないものの、高い緊張状態が継続している」として、引き続き情報収集活動に万全を期す考えを示した。

 中東派遣を巡っては、政府が昨年12月、活動の1年間延長を閣議決定。むらさめは大湊(青森県)を出港した第4次隊の護衛艦「すずなみ」に任務を引き継いだ。横須賀からは第1次隊として「たかなみ」も派遣されている。

© 株式会社神奈川新聞社