観客の反応に「尋常じゃない興奮」 監督は続編希望 「花束みたいな恋をした」脚本・坂元裕二トークイベント

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1月29日の公開後、2週連続で興行収入ランキング1位を記録した映画「花束みたいな恋をした」の、「大ヒット記念 トークイベント」が開催され、脚本を担当した坂元裕二が登壇した。

「東京ラブストーリー」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」「カルテット」などのテレビドラマを手掛けてきた坂元裕二は、本作で初の映画オリジナルのラブストーリーを書き下ろした。

本作の大ヒットに対する気持ちかを問われた坂元は、「TikTokを見ていたら、高校生の男の子3人がトイレットペーパーを抱えて走り回っている動画をアップしていたり、カップルが多摩川を歩きながら、自分たちでナレーションをつけて動画を作っていたり、いろいろな人たちに楽しんでもらっているんだなと思うと、こんなに嬉しいことはなかなかないです」と、若者たちが映画を再現する動画を坂元も楽しんでいる様子を見せた。

思わず語りたくなる映画としてSNSで感想が広がっていることについては、「みなさん解釈がそれぞれ違っていて、自分と照らし合わせる方もいれば、一歩引いて観る方もいるし、男女で考える方や、おひとりおひとりが自分の思い出と重ねる場合もある。TVドラマだと皆がこう思っているから、と参考にしてその続きを書いたりもしますが、映画だと僕の手からはもう離れているので、こうやって観た人ひとりひとりの物語になっていくんだな、この映画はお客さんの映画になれたんだな、と感じてすごく嬉しいです」と喜びを噛みしめた。

また、観客の感想には自身の過去や経験と置き換えたものも多いことには、「この仕事は長いですが、作った作品が誰かのものになることはこんなに幸せなことで、このために作っているんだな、って初めて知って、尋常じゃない興奮をしています」と語り、「なんで皆映画好きなのかな?って思っていたんですけど、こういう楽しみがあるんだなと気づきました。お話を頂けたら、またやってみたいなと思います」と、映画の次回作へ意欲を見せた。

さらに、「土井監督は『花束みたいな恋をした』の続編をやりたいって言っていました。30代の麦と絹が観たいそうですが、5年後なんてあっという間ですからね。30代の恋というのもなかなか辛いものがあると思うので、『それはきついんじゃないですか?』と伝えたんですけど、土井さんはあまり普段こういうことを言わないのでよっぽどやりたいんだと思います」と、監督は続編を希望していることを明かした。

「花束みたいな恋をした」は、偶然の出会いから恋に落ちた、菅田将暉演じる大学生の山音麦(やまねむぎ)と有村架純演じる八谷絹(はちやきぬ)の”最高の5年間”を描いた作品。監督は、「罪の声」の土井裕泰が務めている。

花束みたいな恋をした
公開中
配給:東京テアトル、リトルモア
(C)2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

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