増加するイノシシによる農作物被害を防ごうと、県央愛川農協は8日、愛川町に捕獲用の箱わな5基を贈った。
鉄製で、高さと幅が1メートル、奥行きは2メートル。中に餌を入れておき、イノシシが入ると前後の扉が閉まる仕組みになっている。
町によると、2020年度のイノシシによる農作物被害は1月末時点で59件、約310万円相当に上り、19年度(30件、約60万円相当)をすでに上回っている。
自身も被害を受けている同農協の馬場紀光組合長によると、稲の刈り取りの1週間ほど前になると、イノシシが田んぼに入り、寝転がるなどして稲を倒してしまうという。馬場組合長は「被害が続けば、農家がやる気をなくしてしまいかねない。樹林化が進む河川敷にイノシシがすみ着いており、対策が急務だ」と訴えた。
町にも箱わなが3基あるが、同農協から贈られた5基を加えて、被害が多い地区を中心に設置する。馬場組合長らとともに、箱わなの使い方などを確認した小野澤豊町長は「県が河川敷の樹林を取り除く対策を進めているが、町も捕獲などに全力を尽くしたい」と述べた。