スイーツで豪雨被災地支援 バレンタインに合わせ販売会 佐世保西高生

被災地支援のための菓子を客(右)に手渡す生徒ら=佐世保市下京町、くっけん広場前

 昨年7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県の人吉球磨地域を支援しようと、長崎県立佐世保西高の生徒が、熊本と佐世保の食材を使った菓子を開発した。11日、市中心部のアーケードで販売イベントを開き、多くの市民が行列を作って買い求めた。売り上げは被災地の熊本県立球磨中央高(同県錦町)に菓子のセットを届ける費用に充てる。
 佐世保西高2年生は昨年11月、市内の飲食店有志などが被災地支援で開いた催しに参加し、運営を手伝った。その後、高校生が主体となって人吉球磨の力になれる取り組みを検討。バレンタインデーに合わせて現地の高校生に菓子を贈るプロジェクトを企画した。
 市内の菓子店「さいかい堂」が開発に協力。クッキーとマカロン、カップケーキの3品を考案した。マカロンは5種類の味を用意。世知原茶を練り込んだ生地にあんこ入りのクリームを挟んだり、香りが高い熊本産の柚子のコンフィチュール(ジャム)を使ったりするなど、生徒の発想を生かした商品に仕上げた。パッケージのデザインやポスター作りにも取り組んだ。
 11日は開始前から多くの買い物客が集まり、色とりどりの菓子を品定め。生徒らは慣れない接客に悪戦苦闘しながらも心を込めて商品を手渡した。
 近くの店舗に勤務する女性(65)は「頑張っている生徒たちの力になりたくて買いに来た」と笑顔。菓子の製造を担当した今崎さくらさん(16)は「大変な思いをしている人に元気になってもらい、佐世保から応援しているという気持ちを伝えたい」と話した。
 イベントでは被災地支援の募金活動も実施。今後、佐世保西高と球磨中央高とでオンラインの交流会を開くという。

佐世保西高の生徒が開発した(左から)カップケーキ、マカロン、クッキー

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