楽天ドラ1早川は「和田に似ている」 初の打撃投手に他球団007は戦々恐々

楽天・早川隆久【写真:荒川祐史】

大学の先輩と豪華な同僚投手陣が成長を促す

楽天のドラフト1位ルーキー、早川隆久投手が12日、沖縄・金武キャンプで初めて打撃投手を務めた。左打者の小郷裕哉外野手と右打者の和田恋外野手を相手に変化球を交えて計48球。和田には強い追い風に乗って右中間へ柵越えを“被弾”するシーンもあったが、見逃しストライクを8球、空振りを3球奪い、開幕先発ローテ入りへ向けて好発進した。

最速155キロを誇る新人は「打者のスイングスピード、力強さがアマチュアとは違う」と痛感。「和田恋さんに甘い球を逆方向へ打たれたりして、変化球を投げる時に腕を振ることの重要性を改めて感じました。真っすぐの時の腕の振りとの差を縮めていくことが大事ですね」と分析した。

視察したパ・リーグ他球団のスコアラーは「球持ちが良くて、ストレートに角度があるところが印象的。センスの良さを感じました。もともと変化球で両サイドを突けるコントロールがあると聞いている。手ごわいですよ」と評価。「ピッチングスタイルといい、体つきといい、ソフトバンクの和田(毅)に似ている。背番号も同じ21だし」と苦笑まじりに指摘した。

和田は早川にとって早大の大先輩。同じ左腕とあって、キャンプイン後にメールでプロ1年目の過ごし方について教えを乞い、「俺は投げ過ぎないように意識していた。緊張している分、8割で投げているつもりでも、それ以上の出力が出てしまうから、8割で投げなよ」とアドバイスされたと明かしている。「和田さんのピッチングフォームを参考にしているということはありませんが、部分部分を見れば共通しているところがあると思います」と語る。

また、前出のスコアラーは「今年の楽天には8年ぶりに復帰した田中将をはじめ、涌井、岸、則本昂と、早川にとって勉強になる好投手がたくさんいる。非常にいい環境ですよね」とも続けた。

早川は当初「オーラが凄い。すぐにコミュニケーションを取るのは難しい」と気おくれしていた田中将に対しても、「話をさせていただいて、『1年目のキャンプをどう過ごしたか』について伺いました」。田中将は「14年前のことだから覚えてないよ……」と言いつつ、「ケガをしないで、無理をしないでやっていくのがいいんじゃない?」と和田と共通する趣旨のことを語ったという。

田中将について「だいぶ自分としても緊張が和らいできた部分がある。これからも、わからないところがあれば質問していきたい」と目を輝かせた早川。大学の先輩と豪華な顔ぶれの同僚が、大物新人の成長を促しそうだ。それだけでも目標の新人王へ向けてアドバンテージといえるだろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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