コロナ禍の「普通」問い直す 写真家・辻優史さん個展 横浜

作品と写る辻さん=横浜市港北区の大倉山記念館

 新型コロナウイルスで日常の光景が当たり前ではなくなった今、写真家の辻優史さん(27)=横浜市港北区=が「普通」を問い直す表現に挑戦した。大倉山記念館ギャラリー(同区)で15日まで個展を開いている。

 「測ること」をテーマに回廊を使ったインスタレーションでは、引き延ばした写真を壁や床に広げたり、メジャーを立てかけたり、レーザー水平機を照射したりした。辻さんは「ソーシャルディスタンスによって距離や壁の意識が強まったように、測ることで生まれる概念を考えていきたい」と提案する。

 同展はコロナ禍の影響を受ける作家に、同市が展示費用などを一部負担する事業に選ばれ、感染防止用の消毒液や体温計などに充てている。辻さんは「支援のおかげで作品を発表する環境を整えられた。少しでもアートを楽しんでいただきたい」と話す。

 入場無料(一部有料)。午前11時から午後7時(15日は同3時)まで。問い合わせは電話080(4175)3660。

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