2年目の若虎・井上広大に〝4番の心得〟を叩き込む!

大山と話す井上広大(左)

〝虎の悪しき伝統〟を打ち破れ――。阪神・井上一樹ヘッドコーチが13日、翌日の練習試合・広島戦(14日、コザ)で、高卒2年目の若武者・井上広大外野手(19)を4番打者として起用する考えを明かした。

主砲・大山は腰背部の張りで大事を取り別メニュー調整中。サンズ、マルテら外国人打者も実戦投入前の段階とあり、「将来的に4番を打ってほしい人材は誰か、となった時に広大になった。結果も大事かもしれないが、雰囲気だったり内容のようなものもアピールしてくれれば」と井上ヘッドは説明。若き大砲候補へチャンスを与える構えだ。

甲子園球場という、本塁打が出にくい球場を本拠地としていることに加え「大事なところで三振をしたりミスをしたりすると(球場から)大きなため息や叱咤の声も飛ぶ。そのような環境に委縮したり『無難にいこう』的な習慣が(阪神の選手には)染みついてしまっている。俺の印象だけどね」と井上ヘッドは指摘。「別にええやないか、エラーしても。三振してもええやないかと伝えている。20歳前後の若武者に小さくまとまってほしくない」。

2019年秋に打撃コーチとして矢野内閣に入って以来、そのような〝虎の悪癖〟を改善すべく取り組んできた。「アホ! アホ! 小さくなっとるやないか! 振ってこい! と言葉でケツを叩くしかない。でもそれを積み重ねていけば、ハートの強さにつながっていくと思う」(井上ヘッド)。

同戦ではドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(21=近大)も3番打者として起用予定。未来への希望にあふれたフレッシュな中軸に注目が集まる。指揮官・矢野監督の哲学を体現すべく、懐刀として〝カズキ流改革〟を推し進める。

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