カージナルス・フラハティが年俸調停に勝利 現在の制度に不満

日本時間2月14日、カージナルスの若きエース、ジャック・フラハティが年俸調停に勝利したことが明らかになった。年俸390万ドルを希望するフラハティに対してチームは300万ドルを提示していたが、フラハティの主張が認められた。カージナルスが年俸調停を行うのは2017年のマイケル・ワカ以来、1999年以降でわずか2度目。また、カージナルスが年俸調停で敗れるのは1994年のグレッグ・ジェフリーズ以来のこととなった。

メジャーリーグでは一部の例外を除いてサービスタイム(メジャー登録日数)が3年以上6年未満の選手に年俸調停権が与えられる。選手と球団は年俸額について意見を交わし、翌シーズンの年俸を決めることになるのだが、合意できなかった場合は年俸調停に突入する。年俸調停の場では双方の希望額のうちどちらか一方が採用される。

現在25歳のフラハティは昨季でサービスタイムが3年に達し、初めて年俸調停権を取得。過去2年もチームからの提示額に納得せず、フラハティとカージナルスは合意することができなかったが、フラハティにはまだ年俸調停権がなかったため、チームが定めた年俸でプレーせざるを得なかった。昨季の年俸は60万4500万ドルだったため、6倍以上の大幅昇給となった。

フラハティはカージナルスに対して不満を持っているわけではなく、年俸調停権を取得する前の選手が格安の年俸でプレーせざるを得ないシステムに納得していないという。また、年俸調停権を取得したあとも、基本的には過去に同じような成績を残した選手を参考として年俸額が定められる傾向にあり、選手たちは前例に倣わざるを得ないのだ。こうしたシステムに抗議する意味で、フラハティは3年連続でチームからの提示額を受け入れないという選択をしているとみられる。

フラハティはメジャー3年目の2019年にブレイクし、11勝8敗、防御率2.75、231奪三振の好成績をマークしてカージナルスのエースとみなされるようになった。ただし、昨季は9試合に先発して4勝3敗、防御率4.91と低調だった。

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