【全豪OP】大逆転8強の大坂なおみ 絶体絶命で出た191キロのエース

崖っぷちからの生還だった。女子テニスの世界ランキング3位・大坂なおみ(23=日清食品)が全豪オープン(14日、メルボルン)の4回戦を大逆転で勝利。昨年からの連勝を「18」に伸ばすとともに、ベスト8進出を果たした。

1時間55分の死闘を制した要因は強靭な精神力だった。この日の相手は元世界1位、4大大会2Vを誇る同14位のガルビネ・ムグルサ(27=スペイン)。自身の
身長180センチを上回る183センチの難敵は、序盤から持ち前のパワーで真っ向勝負を挑んできた。

第1セットを4―6で落とし、第2セットを6―4で奪って迎えたファイナルセットは喜怒哀楽が爆発。ブレークされた第5ゲームはラケットを叩きつけて悔しがり、ミスショットには声を張り上げた。強打で一歩も引かない相手に屈し、3―5と絶体絶命に陥ったところで信じられない逆襲を見せる。サービスゲームの第9ゲーム、15―40でマッチポイントを握られると191キロのエースで切り抜け、続くポイントも奪ってデュース。さらにウイナーでアドバンテージを取ると、この試合11本目のサービスエースで踏みとどまった。この土壇場での粘りが起点となり、ここから4ゲーム連取。大逆転勝利後、ピンチの場面を「とにかくファーストサーブに集中した。ミスのないように心掛けた」と振り返った。

この日の最速サーブは196キロ。パワーも相変わらずだが、それ以上に忍耐力と勝負強さ、何よりメンタルが光った。生中継したWOWOWで解説を務めた元プロテニス選手でスポーツキャスターの松岡修造氏(53)は「よく勝ちましたよ。テニス選手から見れば(この展開は)ほぼ負けていますよ。奇跡に近い勝ちだと思います」
と大絶賛した。

準々決勝の相手は世界71位の謝淑薇(35=台湾)。パワー系と正反対のタイプとなるが「タフになると思うけど、全力を尽くします」と気合を込めた。

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