右腕・ヒューズが現役引退を表明 全力疾走で駆け抜けた10年間

日本時間2月15日、パイレーツなどで活躍し、メジャー10年間で通算542試合に登板した救援右腕ジャレッド・ヒューズが自身のインスタグラムで現役引退を表明した。ヒューズは自分の名前がコールされると全力疾走でマウンドに向かう姿が印象的だった。「スパイクを置こうと思う。もう潮時だ。全力疾走によって(スパイクの底が)擦り切れてしまったからね」とヒューズ。文字通り「スパイクとともに駆け抜けた10年間」だった。

現在35歳のヒューズは2006年のドラフトでパイレーツから4巡目(全体110位)指名を受けてプロ入りし、2011年にメジャーデビュー。2014年に63試合で14ホールド、防御率1.96、2015年には76試合で自己最多の22ホールド、防御率2.28をマークするなどブルペンの中心的存在として活躍した。

2017年はブリュワーズ、2018年から2019年途中まではレッズでプレーし、この時点で在籍した3球団はすべてナショナル・リーグ中部地区のチーム。その後、2019年途中からはフィリーズ、昨季はメッツでプレーし、ナ・リーグ一筋のキャリアで通算94ホールド、防御率2.96を記録した。

投手としてマウンドで残した成績はもちろん、毎年恒例のフォト・デーではふざけた顔やポーズで写真を撮るのが定番となり、チームの盛り上げ役としても存在感のある選手だった。昨年の新型コロナウイルスによる開幕延期期間には自作のマウンドで投球練習する様子をツイッターで公開し、ファンからの注目を集めた。

ブルペンからマウンドに全力疾走する「儀式」はAAA級インディアナポリスでプレーしていた2011年にスタートしたという。全力疾走でマウンドに向かった試合で良い結果を得られたことがきっかけだったそうだ。それ以来、ヒューズの全力疾走が止まることはなく、メジャー昇格を経て、10シーズンにわたるメジャー生活を見事に駆け抜けた。

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