「シャトルバスに顔パス乗降」前橋版MaaSで検証開始

株式会社三井住友フィナンシャルグループのFintech企業で生体認証サービスなどを提供する株式会社ポラリファイ(以下、ポラリファイ)は、国立大学法人群馬大学(以下、群馬大学)および日本モビリティ株式会社(以下、日本モビリティ)とともに、前橋市が取り組むMaaS事業の実証実験「MaeMaaS」に参画する。

なお、群馬大学と株式会社三井住友銀行(以下、三井住友銀行)は、2018年2月に自動運転分野に特化した産学連携協定を締結している。

自動運転車を含めた多様な交通手段を最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービスの検討が進められている中、三井住友銀行は、群馬大学や日本モビリティと連携し、金融機関として地域における自動運転車を活用したモビリティサービスの開発を支援してきた。

前橋市は、国土交通省から「令和2年度日本版MaaS推進・支援事業対象地域」として選定されており、同市を含む前橋市新モビリティサービス推進協議会

が「MaeMaaS」における各種実験を進めている。

※構成団体: 前橋市、JR東日本 高崎支社、NTTドコモ 群馬支店、ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(TOPIC)、群馬大学、NTTデータ、未来シェア、群馬県バス協会、前橋地区タクシー協議会、上毛電気鉄道

今回「MaeMaaS」の実証実験の1つとして、2月15日から2月28日の間、NTTデータが主体となり「シャトルバスでの顔パス乗降」を実施する。実証場所は、上毛電鉄中央前橋駅~JR両毛線前橋駅~けやきウォーク前橋を運行するシャトルバス車内(JR両毛線前橋駅~けやきウォーク前橋間は土日限定)。

事前に顔情報を登録することで、群馬大学・日本モビリティが提供する自動運転バスを含むシャトルバスに、手ぶら(顔パス)で乗車することができる。顔情報登録は、2月1日から2月28日の間に可能だ。

ポラリファイは、この実証実験に顔認証技術を提供する。利用者がマイナンバーカードを用いて顔情報をサーバーに登録する際、顔写真自体は保管せずに、顔の特徴点のみを保管する技術により、一度顔情報を登録すれば、どのシャトルバスでも顔パス乗降が可能となる。その一方で、サーバーから顔写真が漏洩するリスクがないという。

同社は実証実験で得られた知見を活かして、eKYCと連動した顔パス認証、ならびに顔パス認証を用いた決済サービスなどの検討を進めている。また、三井住友銀行は群馬大学との産学連携協定に基づき、地域における自動運転車を活用したモビリティサービスの開発と同サービスの全国展開のため、引き続き連携していく方針だ。

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