澤村が2年総額300万ドルでレッドソックスと合意 3年目はオプションで出来高を含め最大765万ドル

澤村拓一

ロッテから海外FA権を行使してメジャー移籍を目指していた澤村拓一投手(32)が15日(日本時間16日)にレッドソックスと2年総額300万ドル(約3億1600万円)で合意したことが分かった。米スポーツサイト、アスレチックのケン・ローゼンタール記者が自身のツイッターで速報した。3年目はオプションで、出来高を含め3年で最大765万ドル(約8億500万円)だという。近日中に正式発表される。

ようやく決まった。ローゼンタール記者によれば澤村の契約は「2年300万ドルで3年目はオプション。パフォーマンスボーナス付きで全てをクリアすれば3年で765万ドル。条件つきの複雑なオプションだ」という。

澤村は日本時間3日に羽田空港から渡米。160キロに迫る直球、150キロを超えるスプリットはメジャーでもトップクラスと評価され、複数のオファーがあった。代理人を務めるジョン・ボッグス氏らと熟考していた。

合意の第一報は日本発で10日に流れ、少し時間がかかった印象だが、メディカルチェックで問題が浮上したのではなく、レッドソックスのメジャー40人枠が埋まっており、手続き上の問題だった。

レッドソックスは1901年にボストン・アメリカンズとして創設され、08年からレッドソックスとなった。世界一9度、リーグ優勝14度の名門だ。2018年にワールドシリーズ制覇を果たしたが、19年はア・リーグ東地区3位、昨季は最下位に沈んだ。先発投手の防御率はア・リーグ13位の5・34(メジャー25位)、救援陣は同14位の5・79(同27位)と苦戦。世界一奪回に向けて先発陣に加え、リリーフ投手の整備も課題で、澤村への期待は高い。

抑えを務める右腕バーンズは昨季1勝3敗9セーブ、防御率4・30と低調。メジャー7年間でセーブ機会での登板は33回と実績はない。ヤンキースから移籍したセットアッパーのオッタビーノは昨季は24試合で2勝3敗、防御率5・89と不安定。ここ3年で23回のセーブ機会で15回失敗している。元広島のブレイシアはメジャー通算4年で128試合で5勝4敗7セーブと物足りない。

澤村は巨人で15年に36セーブ、16年に37セーブをマークしており、実績は十分だ。当初は中継ぎで起用されるだろうが、バーンズの成績次第では13年の上原浩治のようにシーズン中に守護神を任される可能性もある。

昨年11月30日の会見で「最高峰の舞台。憧れももちろんあるし、夢もある。一番必要としてくれる球団で腕を振りたい」と力強く語った澤村。ワールドシリーズで最後の打者を打ち取り、雄たけびを上げる姿を見ることはできるか。

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