被爆後10年間の復興の様子紹介 長崎原爆資料館で企画展 人々の力強さ訴え

平和祈念像の建造の様子を伝える写真を展示している企画展=長崎市、長崎原爆資料館

 被爆後の10年間の歩みを写真などで紹介する企画展「復興の息吹」が1日、長崎市平野町の長崎原爆資料館で始まった。平和祈念像を建造する様子や被爆者の手記を通し、希望を持って生きてきた人々の力強さを訴えている。5月末まで。
 写真は同館のほか、三菱重工業長崎造船所が所有する資料など38枚を展示。1946年10月、焼け野原の前で東古川町の川船が奉納踊りを披露する写真には「祭りや行事は活力の源でした」と紹介。被爆者の手記などから引用した解説文も掲示している。
 見学した城山台1丁目の被爆者、丸田和男さん(89)は「当時を思い返し、原爆の恐ろしさを改めて感じた」と話した。
 このほか、被爆75年に合わせ市が収集した被爆資料の展示も同時開催。被災状況を記した罹災(りさい)証明書や、溶けたガラス片など10点を展示している。24日まで。
 核兵器禁止条約の発効を記念し、被爆者や国連関係者らが市に寄せたメッセージを紹介する企画展(3月末まで)では、1日から女優の吉永小百合さんの直筆メッセージも加わった。吉永さんは「世界中の核兵器をなくすために努力することが、この国に生きる私たちの務め」と決意を述べている。

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