ドジャース・カーショウ 来季以降の現役続行は「わからない」

クレイトン・カーショウ(ドジャース)は今季がメジャー14年目のシーズンとなる。ドジャースと結んでいる3年9300万ドルの契約は今季限りで終了。ドジャースとの契約延長交渉はまだ開始されておらず、現時点では今季終了後にフリーエージェントとなる立場である。よって、カーショウにとって今季がドジャースでプレーする最後のシーズンとなる可能性もある。カーショウは地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」に対し、自身の将来について「わからない」と語っている。

カーショウは来月19日に33歳の誕生日を迎える。現役引退を考えるにはまだ早い。しかし、最多勝3度、最優秀防御率5度、最多奪三振3度、投手三冠王1度、MVP1度、サイ・ヤング賞3度という輝かしい実績に加え、昨季は念願のワールドシリーズ制覇を達成。1人のプロ野球選手としてやり残したことはほとんどないに等しい。

この点についてはカーショウ自身も認めており、チャンピオン・リングを手にしたことでモチベーションに変化があったという。ただし、野球に対するモチベーションが失われたわけではなく、ワールドシリーズ制覇だけを目指していたこれまでに対し、現在は「勝って当たり前と思われている素晴らしいチームで勝たなければならない」というプレッシャーと戦うことにモチベーションを感じているようだ。

ドジャースでの現役続行に問題があるとすれば、それは家族の存在だ。カーショウの自宅はテキサス州ダラスにあるが、これまでは子供たちが就学前だったため、気軽にロサンゼルスへ遊びに行くことができた。しかし、カーショウが実績を積み重ねるあいだに子供たちも年齢を重ねており、妻・エレンは「シーズン中に子供たちを学校から連れ出してロサンゼルスへ行くのは簡単なことではない」と話している。

また、トレバー・バウアーに3年1億200万ドルという破格の契約をオファーしたドジャースがカーショウを引き留めるためにどんな契約をオファーするかも注目される。ドジャースは今季終了後にフリーエージェントとなる選手の総額で8000万ドル近い資金が浮くため、カーショウとの再契約は不可能ではないものの、コリー・シーガーの流出も阻止しなければならない。また、カーショウに対する次のオファーは間違いなくバウアーへの破格のオファーと比較されることになる。一歩間違えればカーショウのプライドを大きく傷つけることにもなりかねない。

もしカーショウが家族との時間を優先するのであれば、レンジャーズでの現役続行という方法も考えられる。もちろん、ドジャースへの強い愛着を口にするカーショウが家族との時間を犠牲にしてドジャースでの現役続行を選択する可能性もある。現時点でカーショウが「わからない」と発言している以上、カーショウの将来は誰にもわからない。「できるだけ長く投げ続けたい」とも語っているカーショウだが、自身の将来についてどんな決断を下すのだろうか。

© MLB Advanced Media, LP.