相模原の「銀河アリーナ」廃止含めて検討に、競技団体関係者が困惑「スケート続けられない」

選手育成、市民交流の場として活用されてきた銀河アリーナ・スケート場(相模原SSC提供)

 神奈川県内で唯一、スピードスケートのショートトラック種目で使える「銀河アリーナ」(相模原市中央区)が存続の危機を迎えている。相模原市がこのほどまとめた行財政改革の計画案で、廃止を含めて検討する方向性が示された。

 冬季五輪代表など多くのトップ選手を生んできた拠点でもあり、競技団体関係者は「アリーナがなくなれば、競技も続けられなくなる」と計画の再考を求めている。

 「市の公表で初めて聞いて、急な展開になったので戸惑いを隠せない」。

 2018年平昌冬季五輪日本代表の斎藤仁美(昨年4月引退)、慧(栃木県スポーツ協会)きょうだいの母、美奈子さん(57)は切迫した声で切り出した。

 4きょうだいの父・篤さん(66)は市スケート協会と神奈川スケート連盟の理事を務める。競技普及に尽力し、子どもたちが幼少から所属した相模原スピードスケートクラブ(SSC)の練習の手伝いを妻と一緒に続けている。

 かつては五輪メダリストの浅田真央さんや金姸児(キムヨナ)さんも滑った銀河アリーナ。主に夏季はプール(19年度以降休止)、冬季はスケートリンクとして市民に開放されてきた。

 開館から30年がたち、施設の老朽化や運営維持費、利用者減少といった課題が浮き彫りになった。厳しい財政状況を踏まえた同市が1月に公表した計画案では、改修せず廃止も視野に入れた検討対象の公共施設として、同アリーナの名前も挙がった。

 「3年前の五輪の時は(リンク利用の)通年化の実現へという動きもあったのに」と美奈子さんの不安は募る。

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