ワクチン接種業務一括化 予約・管理センター開設 県内初 佐世保市が年度内に

 長崎県佐世保市の朝長則男市長は16日、新型コロナウイルスワクチン接種を効率的に進めるため、市民や医療機関から接種の予約を受け付けるコールセンターと、ワクチンの管理センターをそれぞれ年度内に設置する方針を明らかにした。
 市によると、市内のワクチン接種対象者は約21万4300人。集団接種を実施する場合、会場の確保や設営・撤収などの課題があり、市は集団接種と並行して開業医などによる個別接種の準備も進める予定。
 ただ個別接種は、予約の受け付けや「基本型接種施設」にワクチンを取りに行くなど医療機関に負担が生じるため、市がこれらの業務を一括して担い、医療現場が接種に専念できる体制を整える。自治体が予約やワクチン管理、配送を一括して行うのは県内では初めてという。
 コールセンターは民間企業に業務を委託し、患者から予約を受けた医療機関と接種を希望する個人の両方に対応。個人の場合は要望に応じて集団か個別かに振り分ける。ワクチン管理センターは、市内の医薬品卸売業者が運営。業者の倉庫や医薬品管理のノウハウを生かし、各医療機関への配送の拠点とする。
 かかりつけ医での個別接種と集団接種を両輪で実施する体制は「練馬区モデル」と呼ばれ、全国の自治体が採用を検討している。

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