平和発信活動に補助金 長崎市 新年度から、認定事業も

 長崎市は新年度、被爆100年を見据えた活動を支援するため、平和の発信に取り組む個人や団体への補助事業に乗り出すほか、平和関連の取り組みへの認定事業も新たに始める。16日、新年度平和関連事業の概要を発表した。
 平和関連の取り組みを活発化させ、被爆者なき時代に備える狙い。補助事業では、新たな発想で平和の発信に挑戦する個人や団体を公募。5件を選び、1件当たり最大20万円を支給する。事業費100万円を新年度一般会計当初予算案に計上した。認定事業は、市が随時、平和にまつわる取り組みを認定し、証明書を交付する。
 イベント関連では、被爆者や学識者、若者ら幅広い年代で平和の考え方を共有する「平和フォーラム」を夏以降に開催予定で、事業費は130万円。被爆100年に想定される課題や役割分担などを示す被爆地としての活動方針「PEACE100ビジョン(仮称)」も策定する。
 今年1月に発効した核兵器禁止条約を巡り、年末にも開かれる見通しの第1回締約国会議や、8月に延期となった核拡散防止条約(NPT)再検討会議に、市長と市議会議長が出席するための費用900万円も当初予算案に盛り込んだ。
 田上富久市長は会見で、「今年は被爆100年に向けた新たなスタートの年。(国際会議の出席は)新型コロナの状況を見て最終的に判断していく」と述べた。

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