愛知県知事リコール偽造署名に悪用された企業「大変遺憾であり申し訳ない」

左から河村たかし名古屋市長、高須克弥院長

スキマバイトアプリ「タイミー」を運営する株式会社タイミー(東京都豊島区、小川嶺社長)は17日、プレスリリースを配信。大村秀章愛知県知事のリコール運動に関する偽造署名バイトに、同社のサービスが悪用されたことを認め、謝罪した。また、再発防止に向けて、サポート体制強化に努めることを報告した。

この問題は、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長(76)が、2019年に開催された「あいちトリエンナーレ」の展示内容をめぐり、盟友・河村たかし名古屋市長(72)とタッグを組んで、大村知事のリコール運動を展開したことが発端となった。県選管は集まった署名の8割を不正と判断し、地方自治法違反容疑で愛知県警に刑事告発している。

16日に中日新聞、西日本新聞が、名古屋市のPR会社が人材派遣会社のサイトを通じてアルバイトを募集し、佐賀市内で大量の偽造署名を書かせていたと報道した。高須院長、河村市長ともに不正とのかかわりを完全否定しており、いったい誰が何のために発注したのか謎が深まっている。

タイミーは「弊社においても、報道や当該ご指摘等を受け、早急に社内で調査したところ、関連すると思われる求人が過去に存在していたことが確認できたため、現在、求人を行った事業者様への確認等を含め、さらなる事実確認を行っております」と説明した。

偽造署名を「民主主義の根幹を揺るがす極めて大きな問題」ととらえており「弊社サービスにおいては、常に、労働基準法や男女雇用機会均等法等に照らして、違法・不当な求人がなされることのないようチェックしておりますが、今回、仮に、弊社サービス上に、署名偽造に協力するアルバイトの募集案件が投稿されていたとすれば、大変遺憾であり、そのような事態を防げなかったことを申し訳なく思います」と謝罪した。

今回、同社のサービスを利用して勤務したアルバイトには相談窓口を設けるほか、捜査機関・行政からの協力要請に全面的に応じるという。

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