新車開発を進めるアストンマーティンF1。コロナ禍でパーツ製造を請け負う企業とのやり取りが複雑化

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 3月3日(水)に2021年のマシンを発表する予定のアストンマーティンは、現時点で発表会に向けた新車1台だけでなく、3月12〜14日にバーレーンで行われるプレシーズンテストに向けた2台のマシンの準備もするために、懸命な作業を行っている。

 新型コロナウイルスによって、F1の全10チームにはスタッフのウイルス感染を防ぐという課題が生まれた。感染してしまえばもちろん彼らは作業を行うことができないからだ。

「通常よりも少々難しい状況だ」とアストンマーティンF1のチーム代表兼CEOのオットマー・サフナウアーは『Auto Motor und Sport』に語った。

「従業員の安全を確保し、彼らが10日や14日間隔離されないですむような、強固なプロトコルが必要だ。感染が起きたら、マシンのパーツを製造できなくなる」

 レッドブル、フェラーリ、メルセデスのような大規模チームでは、マシンのコンポーネントのほとんどを自社のファクトリーで製造している。アストンマーティンのような小規模なチームは、そうしたパーツの製造に請負業者を使わなければならない。したがってチームはそれらパーツの品質や、期日までに納品されるかどうかについて直接管理できない。そして今では新型コロナウイルスがさらに状況を複雑にしている。

「我々の手のおよばない要因もある。たとえばサプライヤー企業だ。それら企業のすべてや、彼らが行っている準備について常に把握できるわけではない。そのことがリスクを高めている。彼らと話をして、彼らも我々と同じ(COVID-19)ガイドラインに沿って仕事をするようにしてもらわねばならない」

 サフナウアーは、たったひとつのコンポーネントが欠けただけで、マシンの製造が麻痺してしまうと語った。

「我々はそれを避けなければならない。これまでのところ、我々は順調な仕事をしている。我々はマシンを組み立てるところだ。期限に間に合うことに希望を持っている」

 プレシーズンテストが、3月2〜4日のバルセロナから、12〜14日のバーレーンでの開催に延期されたことで、チームはこの難しい時期にマシンを製造する少しの余分な時間を与えられた。

「リスクの点では安心だった。我々はウイルスの発生に備えて、製造スケジュールに間に合うようにしていたのだ。スケジュールが過密だと、ファクトリー内でウイルスが発生したら壊滅的なことになってしまう。テストが延期になったことは緊急の状況ではあったが、多少の余裕が生まれた」

「これまでのところ(ウイルスの)発生はない。我々のプロトコルは非常に堅牢だから、もし誰かがウイルスに感染しても迅速に行動できる。従業員がファクトリーに入る前にすぐさま入場を制限できる。我々は(ファクトリーへの)入場を希望する全員の検査を行っており、全員が検査で陰性になる必要があるのだ」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームのファクトリーに建てられた銘板

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