森友改ざん職員の妻が涙の訴え「赤木ファイル出して!」 国の二枚舌に憤り

故人の写真を並べ真相解明を求めた雅子さん

国の〝二枚舌〟対応に怒り! 学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当していた元財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さん(54=当時)が、佐川宣寿元国税庁長官(63)の指示で決裁文書改ざんを強制され自殺に追い込まれたとして、妻の雅子さん(49)が国と佐川氏に計約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が17日、大阪地裁(中尾彰裁判長)で開かれた。

原告側は俊夫さんが受けた心理的負荷の強度を立証したいとして、俊夫さんが改ざんの過程を記録したとされる〝赤木ファイル〟の提出を国に求めており、8日に文書提出命令を地裁に申し立てている。

安倍晋三前首相が衆院予算委員会で「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員もやめる」と発言したのは4年前の2月17日。

「この日に裁判がめぐってきたのは夫からのプレゼントだと思う」と話した雅子さんは意見陳述で「あれから4年、訴訟を提起してもうすぐ1年なのに、夫がなぜ自殺に追い込まれてしまったのか、その理由を知ることができないまま。赤木ファイルの存否すら明らかにしようとしない国の態度はまったく理解できない。ファイルが裁判という公の場に証拠として提出されるのは夫の遺志に沿うもの。裁判官の皆さま、国に文書提出命令を出してください」と涙ながらに訴えた。

赤木ファイルをめぐっては、麻生太郎財務相が衆院予算委員会で「訴訟に関わることは訴訟外で答えることは控える」と訴訟への影響を考慮した答弁を行う一方、国側は訴訟で「争点に関係がない」と主張して、ファイルの存否すら明らかにしていない。

雅子さんは国の〝二枚舌〟に「どちらかに統一してほしい。影響があるんだったら何で影響があるのか話してほしいし、影響がないんだったらすぐに出してほしい」と静かに怒りをにじませた。来月22日に新たに進行協議が設定されたが「私の50歳の誕生日。いいプレゼントがもらえたら。50%の確率で、あるかないか言っていただけたらといいな」と真相解明への足がかりに期待した。

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