ポスト森のゴタゴタで高橋大輔〝もらい事故〟「ハシモトが襲ったイケメンスケーター」の称号

橋本聖子五輪相の黒歴史でクローズアップされた高橋大輔

まさかの〝もらい事故〟だ。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が女性蔑視発言で辞任を表明したことを受けて、後任候補を選ぶ「候補者検討委員会」は橋本聖子五輪相(56)に就任要請することを決めた。この後任選びを巡って、思わぬとばっちりを受けているのがフィギュアスケートのアイスダンスで活躍する高橋大輔(34=関大KFSC)だ。橋本氏による過去の「キス強要写真」が蒸し返されて再び注目の的に…。関係者からは「大ちゃんがかわいそう」と憤りの声が上がっている。

検討委の2回目の会合が17日に都内で開かれ、座長を務める組織委の御手洗冨士夫名誉会長(85)を筆頭に、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)、スポーツ庁の室伏広治長官(46)、柔道金メダルの谷本歩実氏(39)、元体操選手の田中理恵氏(33)ら8人のメンバーが参加。前日16日の初会合はわずか約1時間、この日も約1時間半という短い話し合いで橋本氏への就任要請を決定した。

組織委は委員名を非公表とし、会議の時間や場所も非公開。この「秘密主義」に報道陣も振り回されることになった。検討委の終了後は情報が錯綜し、一部メディアは「山下氏へ一本化」と打つなど大騒ぎとなった。その後、組織委が18日に検討委の3回目の会合と理事会開催を発表すると「橋本氏が固辞した場合を想定して3回目を開催する」「すでに受諾したから理事会開催を決めた」などと憶測が乱れ飛んだ。

一方で、橋本氏に注目が集まったことで最も〝損〟をしたのが「大ちゃん」こと高橋だ。森会長の後任として橋本氏の名前が挙がった直後から、「週刊文春」で報じられた、2014年ソチ五輪の閉会式後の選手村で橋本氏が高橋へキスを強要したスキャンダルが蒸し返されてきた。今回の後任候補決定で関係者から「女性蔑視の後釜がセクハラとは…」とやゆする声も上がる中、最も深刻な被害は全世界の五輪関係者にも〝醜聞〟が知れ渡ってしまったことだ。

組織委幹部によると、すでに国際オリンピック委員会(IOC)の関係者にも「ハシモトが襲ったイケメンスケーター」として認知される始末だという。フィギュア界での高橋の知名度は圧倒的。男子シングルで全日本選手権5度制覇という国内実績もさることながら、10年バンクーバー五輪銅メダルをはじめ、10年世界選手権、12年グランプリファイナルを制するなど輝かしい実績を残してきた。

14年ソチ五輪後に引退したが、18年に現役復帰。そして昨年からはアイスダンスに転向し、平昌五輪代表・村元哉中(27=関大KFSC)と〝かなだいカップル〟として活躍中だ。高橋は「北京五輪が大きな目標」と来年の夢舞台に向かって日々トレーニングを積んでいるだけに突然、火の粉が降りかかってきた格好。これは〝もらい事故〟以外の何物でもない。

あるフィギュア関係者は「大ちゃんは全く非がない。こんなことで邪魔されて本当にかわいそう」と同情する。振り返れば、騒動の発端となった森会長の失言が飛び出した際には元世界女王の浅田真央(30)に対する「あの子は大事な時に必ず転ぶ」との過去の失言が再び取り上げられて割を食った。前出の関係者は「(今回の一連の)騒動で人気スケーター2人が損をした」と憤りを抑えられない様子だった。

くしくも18日発売の「週刊文春」では再び橋本氏による高橋へのセクハラ行為を報じている。橋本氏が注目を集めれば集めるほど、大ちゃんの〝風評被害〟も拡大する負のスパイラル…。高橋は森会長の辞任騒動による「最大の被害者」と言えそうだ。

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