コロナ対策へCT検診車 県健康事業団が導入 集団感染時に有効活用

最先端のCTスキャナーを搭載した県健康事業団のCT車=県庁

 長崎県健康事業団は、新型コロナウイルスの集団感染が発生した場合に現地で診断できるよう、コンピューター断層撮影(CT)検診車を導入した。県が新型コロナ緊急包括支援交付金を活用し、経費を補助した。
 昨年4月、長崎港に停泊中のクルーズ船で149人の集団感染が発生。当初、県のレントゲン車で乗組員を診療していたが、精度を高めるため自衛隊にCT車を派遣してもらった。肺炎像の早期発見などで重症化を防げたとして、県は6月補正で関連予算(9500万円)を計上していた。
 同事業団によると、導入したCT車は被ばく線量が低く短時間で撮影できる最先端のCTスキャナーを搭載し、受診者の負担が小さい。小さな病変も検出できるという。全長約12メートル、車幅2.5メートル。車いすでも乗降できるリフトがついている。
 17日、県庁で内覧式があり、県の中田勝己福祉保健部長は「将来的なクルーズ船の受け入れや、集団感染時に有効活用したい」とあいさつ。がん検診などにも利用する予定で、同事業団の野嶋克哉常務理事は「活用して県民の健康増進に少しでも貢献できれば」と話した。

 


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