麺とスープ、そして「赤いたれ」だけのカップ麺

老舗ラーメンが20年越しで開発 【にっぽん食べ歩き】

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 マイルドな豚骨スープで知られるラーメンチェーン「一蘭」がカップ麺「一蘭 とんこつ」の発売を始めた。20年以上前からカップ麺開発を検討していたといい、満を持しての取り組み。2月15日の発売スタート後には、公式サイトで一時品切れになるほどの人気を集めている。(共同通信=中村彰)

具材が一切ないカップ麺「一蘭 とんこつ」

 発売前の試食会に参加したのだが、案内には「一蘭新商品・プレス向け試食会」とあるだけで、具体的内容は一切伏せられていた。会場に行っても「商品の内容は言えません。とにかく、まず食べてください」。頭の中に「?」マークを点灯させたまま、一蘭独特の「味集中カウンター」に腰を下ろした。

 待つこと数分。すだれがするすると上がり、白い丼に入った新商品が配膳されて驚いた。丼の中は麺とスープだけ。一蘭ではおなじみの赤いたれが付いているが、全くの「素ラーメン」だ。

 まずはスープを一口。まろやかでおいしい。麺をすすってみるとスープとよく絡み、小麦の風味も快い。一蘭のラーメンを食べ込んでいるわけではないが、これまで食べた経験と引き比べて、そう違いが分からない。強いて言えば、「ちょっとニンニクが効いているかな」と感じた程度だ。

 食べ終えると広報担当者が「どんな商品かお分かりになりましたか?」と聞いてくる。「いやあ、ちょっと」などと言っていると、「実はこれなんです」とカップ麺を差し出されて驚いた。店で調理して提供するものだと思い込んでいた。

 「一蘭のカップ麺を出してほしい」という要望は根強くあり、試行錯誤を繰り返してはいた。しかし、こだわりを形にすることが難しく、なかなか満足のいくものにたどりつけなかったという。ようやく、麺、スープ、秘伝のたれ、それぞれが到達点に達するとともに、良さを増幅し合う商品が誕生した。キャッチコピーは「ライバルは、お店の一蘭。」だ。

「一蘭 とんこつ」

 麺は国産の小麦粉を使用。歯応えがありつつも滑らかなストレートの細麺で、スープにもよく絡む。スープは粉末と液体の2種類。味、香り、舌触りを考慮して合わせることにした。口当たり良く、後味も心地よく、つい最後までれんげを口に運んでしまう。

 味の変化を楽しめる「秘伝のたれ」は社内に4人しかいない、たれ作りを任された職人が調合した。唐辛子にニンニクやショウガ、みそ、ブラックペッパーなどを合わせ、辛いばかりでなく、うま味や甘みが重層的に感じられる製品に仕立て上げた。

 「純粋にラーメンを楽しんでほしい」と、具材は一切なし。値段は1個490円(税込み)とカップ麺としては高くも感じるが、「本当にギリギリの価格」という。一蘭の公式サイトのほか、福岡県の古賀 SA店を除く全国の84店舗、ローソン、ドン・キホーテで販売している。通販では既に約1万食を売り上げ、店頭も含め品薄が続いている。

「一蘭」新宿中央東口店の入り口=東京・新宿

 「一蘭」の公式通販サイトはこちら。

https://www.ichiranstore.com/shop/default.aspx