【千葉県】待機児童数の多い市町村はどこ? 最多は船橋、柏・松戸はゼロ

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千葉県は、待機児童数解消の取り組みに対する成果が見られる県です。待機児童に対して、どのような取り組みが行われているのでしょうか? また待機児童の多い市町村、少ない市町村はどこなのでしょうか? 千葉の待機児童の現状や、子育てのしやすさについて考えていきます。

千葉の待機児童数は?

さっそく、千葉県の過去5年の待機児童数推移を見ていきましょう。

※出典:「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」千葉県(令和2年4月1日現在)

千葉県の待機児童数は、2017年(平成29年)に一度大幅な増加を見せていますが、この年は待機児童の定義を厚生労働省が改めたことで全国的に待機児童数が増加した年でもあるため、千葉の待機児童数に対する取り組みは継続して効果が出ていると考えられます。2020年(令和2年)には待機児童数が833人と、前年に比べて187人減少し、1,000人を下回る結果となりました。

※出典:「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」千葉県(令和2年4月1日現在)

千葉県の特徴は、予算を投じた保育サービス拡大の積極的な動きです。保育所等の利用定員数を直近の2年間で比較すると、保育所や認定こども園など、4種類の保育施設のすべてで定員数が増加し、合計で6,524人と大幅に拡充されました。とりわけ、子育て世帯を中心とした人口の流入が多いとされる県北西部では、保育需要の高い駅周辺で保育所の整備が進んでいます。

0~2歳児の待機児童割合が約94%

では、待機児童にはどのような傾向があるのでしょうか。下記の表をご覧ください。

※出典:「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」千葉県(令和2年8月7日)より抜粋

千葉県の待機児童の内訳のほとんどを占めるのは、0~2歳児です。特に1歳児の割合が69.9%と高くなっています。前年度との比較では、3歳児以外の年齢において待機児童数の減少に成功していますが、特に減少しているのは2歳児の割合でした。早期預かりを実現する保育サービスの拡大が、成果を出し始めている段階と考えられます。

千葉在住・千葉勤務の保育士が多い傾向

千葉の保育サービスの拡大が成功している背景には、保育士として活躍する人材が潤沢である一面もあるでしょう。

千葉県健康福祉部子育て支援課による「千葉県保育士実態調査 結果報告書(平成29年)」によると、県内保育士登録者の約89%が現在も千葉県内に住んでおり、かつ84%が県内で保育士として勤務しています。

また、就職継続希望に対する回答では約77%が「今後も保育士として働きたい」と回答しており、従事経験年数が5年以上の保育士も多いことがわかりました。

給料への不満や子育てとの両立を懸念した退職はあるものの、多くの保育士が就業の意志を持ち、県内にとどまって保育サービスを支えている点が千葉の魅力の一つです。

千葉県内の市区町村別待機児童数ランキング

千葉県内で待機児童が多い市町村はどこ?

では、千葉県内の市区町村の待機児童数をランキング形式で見ていきましょう。

千葉県では、全54市町村のうち、柏市、松戸市、野田市、我孫子市、銚子市、館山市など32市町村が待機児童ゼロを達成しています。下記は待機児童数が多い上位10位までの市区町村です。

※出典:「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」千葉県(令和2年4月1日現在)より抜粋

待機児童数が最も多いのは船橋市で197人、次いで四街道市の74人でした。2019年に待機児童が多かった浦安市や市川市は、2020年は待機児童数を大きく減らしています。船橋市よりも人口の多い千葉市が待機児童ゼロを実現しています。

こうした待機児童数の差が生まれる原因は何でしょうか? 船橋市と柏市を例に考察してみます。

船橋市の待機児童数の多さは都心へのアクセスの良さが原因?

船橋市の人口は64万1,392人と、千葉市の98万2,357人に次いで、人口数県内第2位となっています。船橋市は2015年に待機児童数が全国ワースト2位となったため、継続して待機児童解消の取り組みを続けてきました。近年は改善されていたものの、2020年は197人の待機児童が発生。この数字は全国で9番目に多いため、船橋市の関係者は再度この問題が解決されるよう動いているそうです。

今回待機児童が急増したのは、船橋市内への転入増や出生増などが重なったためと見られています。船橋市は豊かな自然もありながら、9路線35駅もの鉄道網が敷かれ、JR総武線船橋駅から東京駅までは、およそ25分の距離。東京メトロ東西線の西船橋駅も東京へのアクセスが良いため、ベッドタウンとして人気のエリアです。この人気によって、子育て世帯の転入が増加したと考えられます。

柏市では再エントリー制度で入所が叶う可能性も

柏市は待機児童数ゼロを達成

一方、待機児童ゼロの柏市では、入所が実現しなかった家族に対する充実したサポートが行われています。保留児童保護者には保育士による相談窓口が設けられ、入所を実現するための情報提供やヒアリングが実施されます。

また、「再エントリー制度」の活用も注目すべき点です。再エントリー制度とは、1次審査の保留者に対して空きがある認可保育園の情報を提供し、当初希望していなかった園を希望園として追加できる制度です。平成30年入園では、再エントリー制度で入園した児童は79人となっています。

こうした保留者へのケアのほか、施設自体の受け入れ人数を増やすことにも力を入れています。新規施設の設置はもちろんですが、既存の施設を活用して受け入れ人数を増やすという施策も取り入れていることから、スピーディな対応を実現しているようです(柏市報道発表資料 平成27年4月28日より)。令和2年には、待機児童数ゼロを6年連続で実現しています。

千葉は理想のベッドタウン? 子育てをするときに考えたいこと

待機児童数については一定の成果が見える千葉県ですが、実際の子育てを考えたときに住みやすいエリアなのでしょうか。また、東京へのアクセスが便利なのにも関わらず、なぜ埼玉や神奈川と比較して待機児童数の増加が見られないのでしょうか。その理由を考えてみます。

災害による影響を鑑みて海沿いを避ける傾向?

千葉の人口推移を確認すると、横ばいを続けてきた人口推移が初めてマイナスに転じたのは2011年(平成29年千葉県毎月常住人口調査報告書 年報より)。その後、2013年までマイナスが続きましたが、2014年は増加に転じています。

減少率の高い市の共通点の一つには、海沿いのエリアであることが挙げられ、東日本大震災の際に液状化現象が著しかった地域も含まれます。災害は全国どこに住んでいても起こる可能性がありますが、今後家族が住まう場所として、千葉の一部が海に面している点を懸念する人がいたとしても不思議ではありません。

交通の混雑は覚悟しなければならない

千葉は東京とのアクセスが良い一方、電車・自動車ともに交通の便に対する不満やストレスの声が多い特徴もあります。通勤ラッシュの混雑や、高速道路の渋滞などが起こりやすいと考えておきましょう。また、台風や強風などによる交通機関の乱れの影響を受けやすいエリアでもありますので、注意が必要です。

東京近郊のなかでは比較的子どもを預けやすい千葉

待機児童解消に対して県全体で積極的な取り組みが進む千葉は、今後子育てをする世帯にとって住みやすい県といえるでしょう。待機児童数の少ない市では、保留児童に対するサポートもあります。

ただし、待機児童数の多い市と少ない市の差が大きいので、事前の確認は必須です。また、子どもを預ける保育サービスの課題は解決されても、交通の便に対する不満などの長期的な視点で見た問題があるかもしれませんので、自身または配偶者のキャリアプランと照らし合わせて検討してみましょう。

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