赤ちゃんホーム下に転落 あわや大惨事、横浜駅

 心の“隙”にご用心−。19日午前10時55分ごろ、JR横浜駅の京浜東北線下りホームに到着した普通電車(10両)に乗り込もうとした母親のベビーカーから赤ちゃんがホーム下に転落した。安全ベルトを締め忘れていたのが原因とみられる。幸い、赤ちゃんに目立ったけがはなかった。

 JR東日本横浜支社などによると、何らかの理由で赤ちゃんがベビーカーから転落し、車両の扉とホームの隙間から下に落ちた。幅はわずか15〜20センチ。近くにいた乗客が異変に気付いてホーム上の非常停止ボタンを押し、すぐに救助した。

 「すいません」と周囲に平謝りする母親の腕に抱かれ、けろっとしていた赤ちゃん。安全確認のため、電車には5分の遅れが出た。担当者は「歩きスマホで携帯電話を落とす人は多いが、人が隙間に落ちたのは記憶にない」と話す。

 子どもの事故防止に取り組むNPO法人「セーフ・キッズ・ジャパン」理事長の山中龍宏・緑園こどもクリニック院長(68)は「親に厳しい視線が向けられがちだが、それでは事故は減らない。国や鉄道事業者、ベビーカー製造会社が事例を分析し、それぞれが改良していくべきだ」と指摘する。

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