【MLB】大谷翔平、ダルビッシュ有、有原航平…3投手の指揮官が求める役割とは?

エンゼルス・大谷翔平(左)とパドレス・ダルビッシュ有【写真提供:Los Angeles Angels of Anaheim , Matt Thomas / San Diego Padres】

エンゼルス・マドン監督は「投手・大谷」への期待大

メジャーリーグでもバッテリー組のキャンプがいよいよ始まった。アリゾナでは二刀流での活躍が期待されるエンゼルス・大谷翔平投手、新天地で戦う、パドレス・ダルビッシュ有投手、そしてメジャーデビューを目指すレンジャーズ・有原航平投手が早速、ブルペンなどで投球練習。指揮官たちが日本人選手に期待するものとは?

指揮官だけでなく、誰もが大谷の二刀流には注視する。エンゼルスのジョー・マドン監督は『投手・大谷』により強く期待を寄せているようだ。昨季はシーズン序盤で右前腕を故障。打者に専念するシーズンとなった。マドン監督は大谷に求めるものを問われ、こう答えた。

「投球フォームの反復。昨年はフォームにムラがあった。それが問題の一つだと我々は見ていた。現状では、球速が出ているとかそういうことは私は求めていない。(今の段階で求めるのは)制球力と投球フォームだ」

さらには、打者としても能力を存分に活かしたい思いも強い。より、コミュニケーションを密にしていくことも明かした。

「『ショウヘイ、投打に関係なく、今年、君の才能を最も引き出す良い方法は何だろうか?』と。登板日前日に打席に立つのは難しいことなのか。それとも登板日翌日の方が更に難しいことなのか。彼から意見を聞きたい。昨年はそういった話を彼としなかった」

昨年の反省を踏まえて、大谷の復活に期待を寄せた。

パドレスに移籍したダルビッシュ有投手について、ジェイス・ティングラー監督は投手陣のリーダーとして期待している。

「彼はメディアだったり注目されることへの対処の仕方がうまい。彼は選手たちへ間違いなく大きな敬意を持っている。メジャーにやってきてオールスターにも選ばれ、ワールドシリーズでも登板したり。そういった面で彼は(経験を積んで)鍛えられている」

先発ローテーション投手としての勝ち星ももちろん期待しているが、それ以上に、その存在感でチームを引っ張っていって欲しいという思いが込められていた。パドレスは球団史上初の世界一を目指すため、サイ・ヤング賞のスネルら、積極的に補強を進めた。ナ・リーグ西地区には昨年、世界一のドジャースがいる。ダルビッシュ自身は「とにかくみんなが怪我しないようにすれば結果は付いてくると思っている。まずは深いことを考えずに。みんなで集中してできればと思います」と足元を見据えた。その着実な一歩ずつの歩みで、悲願のワールドチャンピオンを目指していく。

レンジャーズ・有原航平【写真提供:Texas Rangers】

メジャー1年目の有原に指揮官「より良い投手にしていきたい」

ポスティングシステムでメジャー移籍を叶えたレンジャーズ・有原航平へかかる期待。それはシーズンを通して、先発ローテーションを回ってもらうことだ。クリス・ウッドワード監督は有原について、以下のように会見で語った。

「彼に多くのイニングを投げてもらえれば、幸運なことだ。ただ、彼はメジャーでの登板経験がない、中4日の間隔で投げたことはない。彼のパフォーマンスから目を離さないようにしていきたい。時には通常より多くの休養を与えることになるが、彼が非常に多くのイニングを投げると予想している」

期待はあるが、そのための準備は首脳陣も欠かさない。キャンプでコミュニケーションを密にはかり、信頼関係を構築していきたいという意向もはっきりと口にした。

「我々は彼をより良い投手にしていきたい。このレベルで彼がなれる最高の姿に導いていくつもりだ」

球団が調べ出したデータをもとにすると、高めの直球の生かし方、配球の割合を変えていければ、もっと奪三振が取れて、イニングが長く投げられるという分析を有原は受けている。つまり勝ちを計算できる投手である。メジャーの雰囲気になれてくれば、自ずと白星はついてくるだろう。(Full-Count編集部)

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