五島なう“中の人”に聞いてみた 島の情報発信20年の歩み

長崎なうも運営中

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五島列島に関するウェブ記事などを紹介している「五島なう」のフェイスブックページ

 フェイスブックとツイッター上に、五島列島に関わる情報を発信する「五島なう」というアカウントがある。長崎新聞など報道機関が配信したウェブ記事や、島民のブログなどにつながるリンクを日々投稿し、フォロワーは計9千人近く。島民らに人気の情報源には、どんな歴史があるのだろうか。五島の「今」を発信し続ける“中の人”に尋ねてみた。
 今月上旬、フェイスブックのメッセージ機能を使い取材依頼を送った。「匿名でよろしければ」-。丁寧な返信をもらい、メッセージ上で取材を始めた。

◆リンク300超
 返信をくれた五島なう管理人は、五島市出身の男性(53)。現在は長崎市内に暮らし、出版関係の会社で経理や総務、ITを担当している。男性は、五島なうツイッター版を2010年7月、フェイスブック版を12年9月にそれぞれ開設。だが情報発信は、ずっと前から続けていたという。
 話は20年前にさかのぼる。男性は01年、五島列島の事業者や個人が運営するウェブサイトを、ひとまとめに紹介するリンク集サイト「五島ウェブ」を作った。当時は五島の情報を配信するサイトが少なく、検索して見つからないことも多かったため、「検索の手間を省いて五島のページを閲覧できるようにしたい」との狙いがあった。
 紹介するジャンルは観光やグルメ、交通、自然など多岐にわたった。次第に、島で新たにウェブサイトを開設した人から「紹介してほしい」との相談も寄せられ、300を超えるサイトのリンクを案内する“情報発信基地”に成長した。

2001~13年に、五島列島に関するウェブサイトのリンクを紹介していた「五島ウェブ」の画面

◆時代の変化
 五島ウェブの開設から10年目。ツイッターなどSNSの普及で、男性は「ユーザーの情報収集が(ウェブ上の)検索からSNSに変わりつつある」と感じ、五島なうのツイッター版を始動。その2年後にはフェイスブック版も始めた。
 投稿の8割は、県内の報道機関などが配信した情報の中から、五島に関するキーワードを含む記事を抜き出し、自動投稿アプリで流している。また島内在住の親戚2人が協力し、季節の花々や街並み、自然景観などの写真を投稿することもあるという。
 男性は09年に長崎市へ移住後、県内の情報を発信する「長崎なう」のツイッター版(11年~)とフェイスブック版(12年~)もスタート。現在は計約2万8千人がフォローしている。

◆島の可能性
 これまでに投稿した中で印象に残る記事として挙げたのが、五島市と韓国・済州島を結ぶチャーター便の運航を伝えた長崎新聞の記事(18年11月配信)。男性は「離島で交通手段が限定される中、国境を越えるチャーター便の運航に大きな可能性を感じた。世界中から人々が訪れる国際的な島になってほしい」と理由をつづった。
 「ウェブ」から「なう」に移り変わりながらも五島の情報を発信し続け、今年で20年。男性は「地元五島で活動する若者や、ネットで情報発信を始めた方などの情報拡散のお手伝いを続けていければ」とメッセージを寄せた。