
日本ハム・中田翔内野手(31)が20日、楽天との練習試合(金武)で8年ぶりに日本球界に復帰した田中将大投手(32)から復帰後〝初被弾〟となる3ランを浴びせた。
しかし、中田の口から出て来る言葉は謙虚そのもの。「今日はなんの喜びもない。シーズンに入ったら絶対にこんな所に投げてくんねえよな…と思いながら回ってました」と難敵から放った先制パンチに対する複雑な心境を語った。
初回、一死一、二塁から田中の外角スライダーに泳がされながらもバットに乗せた打球は左翼スタンドに着弾した。
この一発を振り返った中田は「完全にタイミングは外されているんですけど、運がよかったですね。今日は朝起きてからずっと、嫌だなと思いながら球場に来た。やっぱりマウンドに立っている田中さんは大きかった。すごく近くに見えるというか、オーラを感じました」と最大限の敬意を評した。
過去に54打数10安打(打率1割8分5厘)、1本塁打、3打点、15三振と苦手とする相手だけに「今日は6割ぐらいでしか投げていないと思うので、しっかり対戦できたことはボク自身よかった。今日の打席の中でストレートとスライダー、スプリット。3種類の球種も見れたのはよかったし勉強になった。本当に打っていないし完璧にやられているイメージしかないんで」と前哨戦で放った先制パンチに、浮かれた様子はない。
その理由を中田は改めて「今日みたいに連打、連打で(得点)なんてありえないピッチャーですし、スライダーなんてあんな打てるような所に投げてくれない。スプリットは凄いし真っ直ぐも強いし、とらえたと思っても刺されてしまう。だから今日はなんの喜びもない。シーズンに入ったら絶対にこんな所に投げてくんねえよな…と思いながら(ダイヤモンドを)回ってました」と警戒した。あくまでもイメージするのは、田中将の状態が上がったシーズン中の対戦だ。