宇崎竜童 「手の動きがロックンロール」の指摘に演技抑える 「痛くない死に方」で明るい末期がん患者役

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長尾和宏医師のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」を原作とした映画「痛くない死に方」の初日舞台挨拶が20日に都内で行われ、柄本佑、宇崎竜童、奥田瑛二、長尾和宏医師、高橋伴明監督が登壇。明るい末期がん患者役の宇崎が、撮影や死に方についての考えなどについて語った。

冒頭で宇崎は、「死に方を考えていらっしゃる方がいらっしゃっていると思っていたんですが、若い方もいらっしゃいますね。ぜひ見ていただきたい映画です。こんなに多くの方に初日に見に来ていただいてうれしく思います」と感謝を述べた。

自らの役については、「演技はしていません。セリフは覚えて間違えなくしゃべっているんですけれど、高橋伴明監督と40年来の友達なんですね。台本をいただいた時、40年見てきた高橋伴明監督が役の中に潜んでいるので、俺は芝居しないで、僕が見てきた高橋伴明をそのままやればいいんだと思いました」と振り返った。一方で、「リハーサルで監督から、『手の動きがロックンロールだよ』と言われ、少し抑えました」と撮影エピソードを披露し、観客の笑いを誘っていた。

死に方について妻の阿木燿子とどういう話をしているか聞かれた宇崎は、「『一緒に死ねたらいいね』というのは60過ぎたあたりから話しておりますが、70過ぎたら、『一緒じゃなくて、1日でも多く生きて欲しい。私をちゃんと見送ったらいつ死んでもいい』と約束させられました」と明かし、「この映画の中で、伴明組のスタッフが30人くらいカメラの向こうにいる中で死ぬ(シーンを演じた)んです。にぎやかな、たくさんの人が看取ってくれるシミュレーションをさせていただいた感じで、絶対密葬はしないと決めました」と、撮影が自身の考えに影響を与える貴重な体験だったと話した。

「痛くない死に方」は、在宅医療の専門家である長尾和宏のベストセラーを原作に、仕事に追われて家庭崩壊の危機に陥りながらも、大病院でなく在宅医だからこそできる医療を模索する医師の成長物語。主人公の医師・河田仁を柄本佑が演じ、坂井真紀、奥田瑛二、余貴美子、宇崎竜童、大谷直子らが脇を固めている。監督・脚本は、「BOX 袴田事件 命とは」などを手がけた高橋伴明が務めている。

痛くない死に方
2021年2月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開
配給:渋谷プロダクション
©「痛くない死に方」製作委員会

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